欧州中央銀行(ECB)は9月28日、デジタルユーロの「イノベーション・プラットフォーム」の新たな参加者募集を開始した。AIエージェントやマイクロペイメント、機械間決済の研究に取り組む企業などを募っている。
取り組みは「実験(Experimentation)」と「探索(Exploration)」の2部門で構成される。
実験部門は2027年1月から6月まで実施し、参加者は専用のテスト環境で電子レシートや割り勘などの複数者間取引、条件付き決済の試作品を開発する。ECBは、条件付き決済はプログラマブルマネーとは異なると要項に明記している。
探索部門は2027年前半にフランクフルトのECB本部でワークショップを開き、AIを活用した決済や公共サービスでの利用を議論する。応募はEU域内の法人に限られ、報酬はない。締め切りは11月9日。
これとは別に、ECBは7月にDeutsche Bank(ドイツ銀行)、Revolut(レボリュート)、Stripe(ストライプ)など36のデジタルユーロ決済サービス事業者を選定しており、2027年後半から12カ月間のパイロットを実施する予定だ。
AIエージェントの決済手段としてはステーブルコインが先行しており、中央銀行の参入で公的通貨と民間ステーブルコインの競争がこの分野にも及ぶ可能性がある。
日本では、日本銀行が2023年からデジタル通貨のパイロット実験を続けているが、発行の是非は決まっていない。
【次に読む】
» ECB専務理事、デジタルユーロは「現行技術で最大水準のプライバシー」
» 欧州中銀、トークン決済基盤「Pontes」を稼働──実取引での利用を開始
» 【ST最前線】不動産STのその先へ──大和証券・澤氏が描くオンチェーン資本市場
|文・編集:井上 俊彦
|画像:Shutterstock