BTC(ビットコイン)は米雇用統計をにらみ方向感を探る展開か、米イラン情勢には警戒【マネックス証券】

● 今週のビットコインは、前週から続く米ドル安の流れを追い風に BTC=80,000ドル(約1272万円)を突破したものの、中東情勢への警戒や米ハイテク企業の決算、ジャクソンホール会議を見極める動きから上昇が一服した。

● 来週のビットコインは、米雇用統計で労働市場の鈍化が確認されれば利上げ観測の後退から買いが強まりやすい一方、米イラン情勢を巡るインフレ懸念も残り、神経質な展開が予想される。直近の価格レンジとして、上値はBTC=83,000ドル(約1319万円)、下値はBTC=75,000ドル(約1192万円)が意識される。

今週(8月21日~8月27日)の相場動向

相場回顧 BTC(ビットコイン):米ドル安を追い風に8万ドル突破も、 米ハイテク企業決算やジャクソンホール会議を前に上昇一服

ビットコインは、前週から続く米ドル安の流れを追い風にBTC=80,000ドル(約1272万円)を突破したものの、中東情勢への警戒や米ハイテク企業の決算、ジャクソンホール会議を見極める動きから上昇が一服した。

週初は、米財務省による長期国債買い戻し増額を受けた米長期金利低下・米ドル安の流れが続き、金とともにビットコインへの買いが強まった。一方、米国とイランを巡る緊張から原油価格が上昇すると、インフレ再燃への警戒が強まり、AI・半導体銘柄を中心に米国株で利益確定売りが強まる中、ビットコインも上値を抑えられた。

その後、米国によるイランへの追加制裁が想定より穏健な内容だったことから原油価格が下落。インフレ懸念が和らぐ中でビットコインは再び上昇しBTC=80,000ドル(約1272万円)を突破した。現物ETFへの資金流入も続き、需給面から相場を下支えした。ただし、米長期金利や米ドル指数が持ち直すと上昇の勢いは次第に鈍化した。

週後半は、7月の米PCE(個人消費支出)物価指数が前年比3.7%、コアPCEが3.3%と高い伸びとなり、インフレ圧力の根強さが意識された。加えて、エヌビディア[NVDA]が市場予想を上回る決算を発表したものの、AI・半導体銘柄のバリュエーションの高さへの警戒は残った。ジャクソンホール会議を控えて金融政策に関する言及の有無を見極める動きも強まり、ビットコインはBTC=80,000ドル(約1272万円)前後でもみ合う展開となった。

Daily table of BTC/JPY, ETH/JPY, XRP/JPY, BCH/JPY prices in August 21–27 with values per day and weekly changes.

来週(8月28日~9月3日)の相場予想

BTC(ビットコイン)は米雇用統計をにらみ方向感を探る展開か、米イラン情勢には警戒  

来週のビットコインは、米雇用統計で労働市場の鈍化が確認されれば利上げ観測の後退から買いが強まりやすい一方、米イラン情勢を巡るインフレ懸念も残り、神経質な展開が予想される。

まず、8月28日(日本時間午後11時頃)のジャクソンホール会議でウォーシュFRB(米連邦準備制度理事会)議長が講演する。同氏はフォワードガイダンスを弱める姿勢を示していることから、具体的な政策の方向性に踏み込まなければ相場への影響は限られるだろう。

ただし、米イラン情勢による原油高などを背景に、ウォーシュ氏がこれまで以上に強いインフレ警戒感を示せば、利上げ観測が揺れ動き、相場のボラティリティが高まる可能性には注意したい。

その後は8月米雇用統計に注目である。7月は非農業部門雇用者数が減少し、過去分も大幅に下方修正されるなど、労働市場の減速が鮮明となった。8月も雇用の鈍化が確認されれば、年内の利上げ観測がさらに後退し、米金利低下とともにビットコインの追い風となるだろう。一方、雇用が予想以上に強ければ、金融政策を巡る不透明感が再び意識され、米金利上昇とともにビットコインの上値も重くなる可能性がある。

米イラン情勢では、米国による追加制裁後もホルムズ海峡の正常化を巡る協議は難航している。ただ、イランとオマーンは一時航行回廊や機雷除去について協議しており、外交的な解決に向けた動きも続いている。協議が進展すれば原油供給への懸念が和らぐ一方、制裁を巡る対立が激化し原油高がさらに進めば、インフレ再燃への警戒がリスク資産の重石となるだろう。

米国における暗号資産規制の動向にも引き続き注目である。今週もSEC(米証券取引委員会)は暗号資産を含むカストディ規則の見直しを進めるなど、9月の議会再開を前に制度設計の動きが活発化している。規制当局による取り組みがCLARITY法案の審議再開へとつながれば、規制明確化への期待から暗号資産市場の支援材料となる可能性がある。

直近の価格レンジとして、上値はBTC=83,000ドル(約1319万円)、下値はBTC=75,000ドル(約1192万円)が意識される。

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