ブロックチェーン開発企業StarkWare(スタークウェア)の共同創業者兼CEO、Eli Ben-Sasson(イーライ・ベン=サソン)氏は8月27日、ビットコイン(BTC)で初の量子耐性取引が成立したことを受け、量子コンピューターの脅威への「備えは程遠い」とXへの投稿で警告した。
十分な性能を持つ量子コンピューターが実用化されれば、ビットコインで使われている現在の署名方式では、公開鍵から秘密鍵を割り出されるリスクが指摘されている。
ベン=サソン氏は、今回の成果によってビットコインの量子対策が十分になったわけではないと強調。
その上で、大惨事を避けるためにもソフトフォークを含めた本格的な対策を進める必要があるとして、「まだ時間はある」と訴えている。
スタークウェアは、イーサリアムのレイヤー2「Starknet(スタークネット)」などを開発しており、公式情報によると約220人のチームを擁し、これまでに2億5000万ドル(約400億円、1ドル=160円換算)を調達している。
同社は8月26日、量子コンピューターによる攻撃への耐性を持つビットコインの取引が、メインネット上で初めて成立したと発表した。
今回使われたのは、同社のAvihu Levy(アヴィフ・レヴィ)氏が4月に提案した「Quantum Safe Bitcoin(QSB)」と呼ばれる手法だ。
ビットコインのコンセンサスルールを変更せずに量子耐性を持つ取引を実現するもので、今回がメインネット上で成立した初の事例となった。
ただし、QSBによってビットコインそのものが量子耐性を獲得したわけではない。
スタークウェアも、今回成功したのは特定の取引であり、長期的にはソフトフォークによる対応がより望ましいとの見方を示している。
|文:平木 昌宏
|画像:StarkWare共同創業者兼CEO Eli Ben-Sasson(イーライ・ベン=サソン)氏(StarkWare公式サイトより)


