ダラス連邦準備銀行の2人のエコノミストは8月25日に発表したレポートで、トークン化預金が銀行の資金調達を不安定にし、アメリカの家計や企業の信用コストを上昇させる可能性があると分析した。
Rosie Levy(ロージー・レヴィ)氏とSrini Ramaswamy(スリニ・ラマスワミ)氏は、トークン化による即時決済で、高い利回りを求める預金者がほぼ瞬時に銀行を乗り換えられるようになると述べた。
また、プログラム可能なトークン化預金とエージェント型AI(人工知能)が送金を自動化すれば、預金が各行に留まる期間は縮み、金利変動への感応度(預金ベータ)が高まるという。
感応度の上昇は預金の実効デュレーション(預金が長期資金として機能する年数)を下げ、長期の固定金利貸出を支える満期変換の能力を細らせる。試算では、感応度が10%高まると銀行が抱えられる長期資産は10年債換算で約7000億ドル(約112兆円、1ドル=160円換算)減り、滞留期間が10%短縮する場合は約5800億ドル(約92兆8000億円)減る。
これらはいずれもシナリオ上の計算だが、預金の変動性が増すと準備預金や米国債など流動性の高い資産の積み増しも必要になるとレポートは述べている。
実際、米39州の銀行協会は8月25日、顧客資金を規制対象の銀行システム内に留めたままトークン化預金を24時間動かす共有ブロックチェーン網を構築するとしてBankChain Alliance(バンクチェーン・アライアンス)を結成した。稼働は2027年を目指す。
|文・編集:井上 俊彦
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