・リップルはZILOとLicuidoに出資し、XRPL上のインフラを、トークン発行にとどまらず、規制対応の名義書換代理業務、決済、担保管理まで拡張する。
・今回の投資により、アビバ・インベスターズ、フランクリン・テンプルトン、DBSとの提携に続き、リップルの機関向けトークン化戦略がさらに拡大した。
・リップルが現実資産(RWA)関連のインフラを強化する一方、エックス・アール・ピー(XRP)は8月3日、1.07ドル前後で推移した。
リップル、ZILOとLicuidoへの投資でXRPLの機関向け基盤を拡大
リップルは8月3日、ZILOとLicuidoへの戦略的投資を発表した。今回の投資により、XRP Ledger(XRPL)上のインフラを、トークン発行にとどまらず、規制対応の名義書換代理業務、決済、担保管理まで拡張するという。
また、規制対応の名義書換代理業務に関する技術、デジタル資産の発行、担保資産の移転・活用に関する機能が、リップルのトークン化エコシステムに加わるとしている。
プレスリリースによると、ZILOは資産運用会社、カストディアン、名義書換代理人向けに、デジタル名義書換代理業務とファンド管理用のソフトウエアを提供している。
同社のプラットフォームは、トークン化されたファンド持分について、規制に準拠した所有者記録を管理する。これにより、金融機関などはコンプライアンスを維持しながら、融資市場や担保市場を管理・運営できる。
Licuidoは、金融機関などがトークン化された金融資産を発行、配布、取引できるようにすることで、ZILOのインフラを補完する。また、XRP Ledger上のアトミック決済を通じて、こうした資産をデジタル担保として流通させることも可能にする。
今回の投資は、リップルがこれまで進めてきたアビバ・インベスターズ、フランクリン・テンプルトン、DBSとの機関向け提携を基盤とするものだ。リップルはこれらの提携を通じて、XRPL上でトークン化投資ファンドのインフラを開発してきた。
リップルによると、同社の機関向け総合基盤は現在、デジタル資産の発行、カストディ、担保活用、複数通貨対応の投資機能、ステーブルコイン「RLUSD」を利用したDVP(証券・資金同時受渡)決済を組み合わせている。
リップルでトレーディング・マーケッツ部門のシニア・バイス・プレジデントを務めるナイジェル・カクー氏は、資産をトークン化するだけでは資本効率を十分に引き出せないと述べた。
金融機関などの間では、トークン化資産を即時に取引し、担保として差し入れ、規制された金融市場で借り入れや貸し出しに利用できるインフラへの需要が高まっているという。
今回の発表は、リップルが7月に開始した「Ripple Mint」に続くものでもある。同サービスでは、機関顧客がRLUSDのミント、償還、管理を直接行い、同ステーブルコインを企業の財務業務に組み込むことができる。
さらに7月29日、バリデーターから85%超の支持を得ていた「fixCleanup3_2_0」修正案が有効化され、XRP Ledgerの機関利用を支える機能の不具合が修正された。
この修正では、XRPL Lending ProtocolとSingle Asset Vaultsの精度および丸め処理に関する不具合が修正された。また、Permissioned DEXで有効なオファーを削除した際に不変条件が誤って作動する不具合を修正したほか、非標準形式のMulti-Purpose Token数量を検証する処理や、Permissioned DomainのDomainIDがゼロでないことを確認するチェックを追加した。さらに、アカウント削除後に直接参照可能なオブジェクトが残っていないかを確認する不変条件も追加した。
約373億ドルに拡大するトークン化資産市場、XRPLの基盤整備進む
リップルによる今回の投資は、世界の金融市場でトークン化された現実資産に対する機関投資家などの関心が急速に高まる中で行われた。
RWA.xyzによると、トークン化された現実資産の総額は約373億ドルに達した。一方、オンチェーン上のRWA保有アドレス数は過去1カ月で50%増加し、157万件となった。

イーサリアムは約171億ドル相当のトークン化資産を擁し、引き続き同分野で最大のシェアを占めている。
8月3日時点で、XRP LedgerはRWA.xyzの「Distributed Asset Value」ベースで11位に位置し、約3億6800万ドルを計上していた。
原文筆者は、リップルが資産のライフサイクル全体を支えるインフラを構築し、イーサリアムとの差の縮小を目指しているとみている。
ZILOとLicuidoへの今回の投資は、規制に準拠した資産移転、カストディ、担保資産の移転・活用、ステーブルコイン決済を、単一の機関向け運用基盤に統合しようとする同社の取り組みを示している。
トークン化ファンドのオンチェーン移行が進む中、こうした戦略は、規制に準拠したインフラを求める従来型の資産運用会社にとって魅力的なものになる可能性がある。
一方、XRPは8月3日、1.07ドル前後で推移した。原文筆者は、市場参加者が暗号資産市場全体の動向を注視し、リップルの機関向け事業拡大がネットワーク活動や取引増加につながるかを見極めていると分析した。


