・機関投資家の需要が強まるなか、イーサリアム(ETH)は7月にビットコイン(BTC)を約9ポイント上回るパフォーマンスを記録した。
・イーサリアムを基盤とするRobinhoodのレイヤー2展開やトークン化の加速、13億ドル相当のETHの取引所流出により、市場で取引可能な供給量が減少している。
・予測市場では、ETHが7月末までに2,000ドルを回復する確率を52%と見込んでいる。
ETH/BTCが2か月間の下落基調を脱し、ETHがBTCを上回る
7月20日月曜日、ETHは1,900ドルを上回って取引を終え、3日続伸となった。今回の上昇により、ETHはBTCに対する相対的な優位を7月に入って3週連続で広げた。
ETH/BTC比率は7月1日から20日にかけて約13.4%上昇し、1ETH当たり0.0262BTCから0.0297BTCとなった。BTCに対するETHの相対的なパフォーマンスとしては、4月以来の強さとなる。

今回の上昇により、長期にわたる下落基調にも終止符が打たれた。4月中旬から6月中旬にかけて、ETH/BTCは9週連続で下落し、約19%低下していた。マクロ経済をめぐる不透明感や機関投資家によるETF需要を背景に、資金がBTCへ急速に移っていたためだ。
BTCも7月に約58,278ドルから一時65,400ドルまで上昇し、約12.2%の値上がりを記録した。一方、ETHは約20%上昇した。7月1日に付けた1,563ドル付近の安値から回復し、7月20日の記事執筆時点では1,900ドル前後で取引されていた。

なお、Curvo.euの年初来チャートでは、BTCが6%安であるのに対し、ETHは依然として11%安となっている。これは、年初来ではETHが依然としてBTCに対して出遅れていることを示している。
Robinhood Chainの普及、トークン化の拡大、12億ドル相当の取引所流出がETH需要を強める
BTCに対するETHのパフォーマンス改善は、複数の機関投資家関連の材料が7月に重なった時期と一致している。
なかでも大きな要因となっているのが、トークン化をめぐる動きの加速だ。米国と英国では最近、トークン化証券の取引決済にステーブルコインを利用することを支持する規制上の動きが見られた。
こうしたなか、イーサリアムはオンチェーン上のステーブルコインと、トークン化された現実資産(RWA)の双方で、暗号資産市場における優位性を維持している。
CoinMarketCapが4月に掲載した記事で紹介されたToken Terminalのデータによると、イーサリアム上のステーブルコイン供給額は過去最高の1800億ドルに達し、世界全体の約60%を占めていた。

Robinhoodが7月1日に、イーサリアムのレイヤー2ネットワーク「Robinhood Chain」のパブリックメインネットをローンチしたことで、RWA分野におけるイーサリアムの存在感も一段と高まった。
ネットワーク活動には、すでに利用拡大の兆候が表れている。Token Terminalによると、イーサリアムのレイヤー1からRobinhood Chainへブリッジされた資産は過去1週間で倍増し、7月17日時点で1億7000万ドルを超えた。
BitMineの会長でFundstratの共同創業者でもあるトム・リー氏は最近、Robinhood Chainのローンチによって取引量と手数料収入が増加し、イーサリアムネットワークへの需要が高まるとの見方を示した。
またBitMineは7月20日、ステーキング中の約491万ETHから得られる収益を年換算で約2億4700万ドルと見込んでいると発表した。
ETHのETF需要も今月、プラスに転じた。ブラックロックのETHAがけん引し、米国の現物イーサリアムETFには、7月17日の取引終了時点で月初来約2億1880万ドルの純流入があった。
6月には約5億2900万ドルの月間純流出を記録していたが、7月に入って資金フローが好転した。

一方、オンチェーン上での買い集めが続き、市場で取引可能な供給量は減少している。
CryptoQuantのデータによると、ETHの取引所準備高は6月初旬以降、1596万1000ETHから1529万7000ETHまで減少した。
減少量は約66万4000ETHで、ETH価格を1830ドル前後とした場合、約12億ドルに相当する。
ETH価格予測:予測市場とデリバティブ市場は7月中の2000ドル再到達を示唆
テクニカル指標からも、ETHをめぐる市場心理の改善が確認できる。
CryptoWavesによると、ETHの日足の相対力指数(RSI)は、4月中旬以来初めて66を上回った。投資家がETHを取引所から引き出し、長期保管に移し続けるなか、上昇の勢いが強まっていることを示している。
ETHは月曜日を通じて1,900ドル前後でもみ合ったものの、予測市場では、7月の残り10日間でさらに一段上昇するとの見方が強まっている。

Polymarketのトレーダーは現在、ETHが7月末までに2,000ドルを上回る確率を約52%と見込んでいる。
一方、より高い価格目標に対する確信は弱く、2,100ドルに到達する確率は約21%と織り込まれている。
先物市場でも強気派が優勢だ。過去7日間に構築されたETHのレバレッジ付きロングポジションは26億ドルに達し、現在保有されているショートポジションの17億ドルを上回っている。
CoinGlassの清算マップでは、ETHが1960ドルを上回った場合、ショート側の推定清算規模が累計約12億3000万ドルに達する可能性が示されている。

弱気派がこの水準からの上抜けを阻止できなければ、現在の市場環境ではETHのショートスクイーズが発生し、価格が2,100ドルまで上昇する可能性がある。この水準は、予測市場の見通しともおおむね一致している。
一方、予測市場では、ETHが7月末までに再び1,800ドルを付ける確率を約49%と見込んでいる。
これは、中東で新たな危機が発生する懸念が高まるなか、トレーダーが大規模な強気ポジションを構築することに慎重になっているとの見方を補強している。


