SharpLink株が4%下落──8カ月ぶりETH購入再開も含み損懸念が重荷に【価格分析】

・SharpLinkは8カ月ぶりにイーサリアム(ETH)の購入を再開し、5000ETHを取得した。これにより、同社のETH保有量は87万6000ETH超に拡大した。
・同社株は約4%下落し、52週安値に迫った。投資家は、同社が抱える多額の暗号資産の含み損を引き続き懸念している。
・ETH保有者のうち利益圏にある割合は低下傾向が続いており、ステーキング参加が過去最高水準にあるにもかかわらず、最近ETHを購入した投資家の多くが含み損を抱えている可能性を示している。

SharpLink、8カ月ぶりにETH購入再開 膨らむ含み損に投資家は警戒

SharpLink Gaming(NASDAQ: SBET)は今週、ETHの積み増し戦略を再開し、デジタル資産プライムブローカーのFalconXを通じて、約785万ドル相当の5000ETHを購入した。同社にとって、財務資産としてのETH取得は約8カ月ぶりとなる。

今回の購入は、SharpLinkが7500万ドルの私募増資を完了した後に実施された。調達資金は、財務資産としてのETH保有拡大と自社株買いに充てられる予定だ。同社経営陣は、デジタル資産市場の低迷が長引く中でも、SharpLinkを上場企業として最大級のETH保有企業の一つと位置づけ続けている。

ただし、投資家の反応は慎重だった。発表後、SharpLink株は約4%下落し、4.72ドル近辺で取引された。52週安値の4.52ドルをわずかに上回る水準で、暗号資産関連株全般の弱含みが、今回のETH追加購入による好材料を打ち消した格好だ。

Intraday stock chart for Sharplink, Inc. (SBET) showing current price 4.56 and a -3.49% move today; red line tracks price from morning to evening with volatility.
<SharpLink(SBET)株価推移|Yahoo Finance>

株価下落の背景には、同社の多額の含み損をめぐる根強い懸念がある。トレジャリー保有に関する最新開示によると、SharpLinkは現在876285ETHを保有しており、イーサリアム財団に次ぐ世界第2位の企業・団体ベースのETH保有者となっている。

同社の平均取得単価は1ETHあたり約3609ドルだ。ETH価格の下落が長引いたことで、保有資産には推定17億9000万ドルの含み損が発生しており、取得原価を約56%下回る水準となっている。

Ethereum treasury dashboard listing 32 entities across 9 countries with 7.68M ETH total holdings worth about .8B and 6.37% ETH dominance.
<企業のETH保有量|CoinGecko、2026年6月>

SharpLinkの経営陣は、ステーキング収入とイーサリアムネットワークの長期的な普及が、短期的な価格変動の影響を上回ると見込んでいる。ただ、株価が下押し圧力を受け続けていることから、株式投資家の不安は払拭されていないようだ。

時価評価上の損失を抱える一方で、同社のETH保有戦略は継続的な受動収益を生んでいる。SharpLinkはバリデータのステーキング報酬だけで2万2100ETH超を積み上げており、イーサリアムエコシステムにおける最大級の機関規模のステーキング運用を展開していることを示している。

今週初めには、Bitmine Immersion Technologies(BMNR)についても、オンチェーンデータを基に、35138ETHを約5865万ドルで追加取得したとの報道があった。

Bitmineが6月22日に公表した公式発表によると、同社は6月21日時点で5672956ETHを保有しており、これはETH総供給量の4.7%に相当する。トム・リー会長が率いる同社は、ETH総供給量の5%取得を目指す長期目標「Alchemy of 5%」を掲げており、公式発表では同目標の94%に到達したとしている。

ETH価格予測:1500ドル支持線に下抜けリスク スマートマネー指標は弱気転換

マクロ経済の不透明感、木曜日のPCE物価指数の発表後に強まったFRBの金融引き締め観測、そしてETFからの資金流出継続が、イーサリアム市場のセンチメントを圧迫し続けている。これにより、今週のBitmineとSharpLinkによる追加購入の追い風は限定的となっている。

ETHの短期見通しは、1600〜1730ドルの需要帯を維持できなかったことで大きく悪化した。ETH価格は現在1531ドル近辺で推移しており、重要な心理的節目である1500ドルをわずかに上回っている。チャート上では、弱気派がなお主導権を握っていることが示されている。

直近で最も懸念されるのは、1600〜1730ドルの緑色の需要帯で繰り返し上値を抑えられている点だ。この水準は6月中旬にかけて買い手を引き寄せていたが、その後は戻り高値を切り下げ、弱気のローソク足が連続している。需要が弱まっていることを示す動きだ。

もう一つの弱気シグナルは、Smart Money Concepts Probability(Expo)インジケーターから出ている。ETHが1800ドルの抵抗帯で上値を抑えられて以降、青色の確率マーカーは徐々に低下しており、機関投資家の注文フローが蓄積ではなく、下方向への継続をより強く示すようになっている。

これらのインジケーターは予測ではなく確率を示すものだが、大口市場参加者が注文を執行している可能性の高い領域を見極めるために広く使われている。

TradingView chart of ETH/USD with red/green candlesticks, blue dots (SAR) and price axis on the right, showing late May to July data.
<ETH テクニカル価格分析|TradingView>

価格の上に表示される青い点で示されるParabolic SARも、明確に弱気の状態が続いている。このトレンド追随型インジケーターは、下落トレンドではローソク足の上に、上昇トレンドではローソク足の下に表示される。SARのドットはなお価格の上方にあり、直近では1814ドル近辺に位置していることから、弱気モメンタムは維持されており、トレンド反転はまだ確認されていない。

ETHは現在、戻り高値と安値をともに切り下げる展開となっている。6月中旬に1800ドル近辺でピークを付けて以降、反発のたびに強い売り圧力に直面している。直近のローソク足も日中安値付近で引けており、日中取引でも売り手優勢が続いていることを示している。

1500ドルは、ETHにとって目先で最も重要な支持線となっている。心理的な節目であることに加え、6月の反発を引き起こした直近のスイング安値とも重なるためだ。この水準を日足終値で明確に下回れば、直近のもみ合いは崩れ、まず1450ドル近辺まで下落余地が広がる可能性がある。暗号資産市場全体のセンチメントがさらに悪化すれば、次の主要支持帯は1350〜1400ドル付近となる。

強気派が勢いを取り戻すには、ETHがまず1600ドル近辺の旧需要帯を回復し、その後1730ドルを上回る水準を維持する必要がある。そうした反発には、Parabolic SARが価格の下に転換し、Smart Moneyインジケーターが再び買い集めを示し始めることも必要となる。

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