ブロックチェーン分析企業のChainalysis(チェイナリシス)は6月3日付の報告で、Coinbase(コインベース)の「x402」プロトコルと連携するウォレットが、サービス開始から3四半期(約9カ月)でCoinbaseのレイヤー2ネットワーク「Base」上で1億件を超えるトランザクションを生成したと明らかにした。
これは、AI(人工知能)エージェント同士が人の手を介さず決済を行う「エージェント決済」が、実証実験の段階を脱しつつあることを示す動きだ。
x402は、HTTPステータスコード「402(Payment Required)」にちなんでCoinbaseが開発したプロトコルで、機械同士がウェブリクエストの中で直接支払いを完結できる仕組み。AIエージェントがデータフィードやAPIなどのリソースを要求すると、サーバーが料金を提示し、エージェントが自動でステーブルコインによる少額決済をオンチェーンで実行する。
取引量は2025年半ばのほぼゼロから急増したが、その多くはミームコイン「PING」の発行(ミント)を狙った投機的な動きが牽引したという。Chainalysisによれば、その熱狂が落ち着いた後も利用は崩壊せず、取引高はむしろ拡大している。
1ドルを超える取引が総送金額に占める割合は、2025年初頭の約49%から2026年初頭には95%へと上昇した。これは、x402がマイクロペイメント(極小決済)の枠を超えて、より大きな価値の移転に使われ始めていることを示唆している。
Chainalysisは、利用者の定着率や「お試し」から実利用への転換率も改善しているとし、エージェント決済が一過性の目新しさではなくインフラへと育ちつつあると分析している。
|文・編集:井上 俊彦
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