BTC(ビットコイン)は米イラン和平交渉と米雇用統計を見極める展開か【マネックス証券】
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● 今週のビットコインは、米ビットコイン準備金法案への期待が後退したことに加え、現物ETFからの資金流出や米イラン情勢の緊張再燃が重石となり、軟調に推移した。

● 来週のビットコインは、米イラン和平交渉と米雇用統計の結果を見極めながら、方向感を探る展開が予想される。直近の価格レンジとして、上値はBTC=78,000ドル(約1,240万円)、下値はBTC=70,000ドル(約1,113万円)を意識する。

今週(5月22日~5月28日)の相場動向

相場回顧 BTC(ビットコイン):米準備金法案への失望と米イラン緊張再燃で軟調

ビットコインは、米ビットコイン準備金法案への期待が後退したことに加え、現物ETFからの資金流出や米イラン情勢の緊張再燃が重石となり、軟調に推移した。

米国でビットコイン準備金関連の新たな法案(通称:ARMA法案)が提出されたものの、内容は既存の政府保有ビットコインの20年間保有や管理体制の整備が中心で、新規の大規模購入を義務付けるものではなかった。これにより失望感が広がる中、現物ETFからも資金流出が確認され、ビットコインは売りが強まった。

一方、米イランの和平合意観測やホルムズ海峡再開への期待から原油価格が下落し、AI半導体ブームを背景に米国株は高値更新を続けた。こうしたリスク選好の流れはビットコインの下支えとなったが、AI半導体関連株の上昇が一服すると、暗号資産市場でも買いの勢いは続かなかった。

週後半にかけては、米国によるイランへの攻撃が5月25日、27日と続き、中東リスクが再び相場を冷やした。米国は自衛目的の限定的な攻撃と説明した一方、イランは米軍基地への報復攻撃を主張し、ホルムズ海峡を巡る緊張が再燃。これを受けて原油価格と米金利が上昇し、ビットコインはリスク資産として売られた。

足元ではBTC=73,000ドル(約1,160万円)付近まで大幅下落しており、ETF需給の悪化と地政学リスクの双方が重なる不安定な地合いとなっている。

来週(5月29日~6月4日)の相場予想

BTC(ビットコイン)は米イラン和平交渉と米雇用統計を見極める展開か

来週のビットコインは、米イラン和平交渉と米雇用統計の結果を見極めながら、方向感を探る展開が予想される。

まず、米イラン情勢は引き続き最大の変動要因である。和平草案を巡っては、ホルムズ海峡の再開や核開発の扱いを巡り双方の見解に隔たりが残っている。また、米国は交渉継続を模索しつつも、自衛攻撃に対するイラン側の報復が意識されるなど、停戦後の緊張は解けていない。合意に向けた前進が確認されれば、原油供給不安の後退を通じてリスクオンが広がり、ビットコインにも買いが入りやすい。反対に、軍事衝突が再開されれば、原油高とインフレ懸念を通じてリスク資産全般に売りが広がるだろう。

次に、米国市場におけるAI半導体関連需要がなおリスクオン相場を支えている。一方で、決算通過後はAI半導体株への期待が一定程度織り込まれ、周辺銘柄の物色が広がりつつある。そうした中で、5月の米雇用統計が市場予想を上回れば、利上げ再開への警戒感が強まるだろう。米金利上昇を受けて米国株が調整すれば、ビットコインにも売り圧力が及ぶ可能性がある。反対に、雇用の鈍化が確認されれば、過度なタカ派警戒は和らぎ、相場の下振れリスクも抑えられるとみられる。

その他、イランによる制裁回避目的での暗号資産需要は、地政学リスク局面で相場を一部支えてきた可能性がある。しかし、米財務省によるイラン関連暗号資産の凍結累計額は5億ドル規模に達しており、取り締まり強化とともに短期的な特需は剥落しつつある。一方、CLARITY法案を巡る不透明感は残るものの、規制整備を見越した大手金融機関の参入は続いている。各社の現物ETFやカストディ、取引サービスを通じて既存顧客の暗号資産投資が広がれば、相場の下支え要因となろう。

直近の価格レンジとして、上値はBTC=78,000ドル(約1,240万円)、下値はBTC=70,000ドル(約1,113万円)を意識する。

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