売り圧力に警戒も、長期投資家・マイナー動向に改善の兆し【bitbankチャート分析】

月足は長い上髭を付けた状態

・ビットコインの月足チャートでは、5月の月足が3EMAを上回って推移しており、中期的な上昇基調は、なお維持されています。現在は1200万円近辺で取引されています。月足ベースで移動平均線の上位を保っている点は、相場の基調が大きく崩れていないことを示しており、押し目では一定の買い需要が意識されやすい状況です。

・一方で、今月の月足は長い上髭を形成しており、上値では利益確定売りや戻り売りが出やすいことも確認できます。特に高値圏では買いが続かず、上昇後に押し戻されているため、短期的には上値の重さが意識されます。3EMAを上回っていることはポジティブ材料ですが、上髭の長さを踏まえると、過度な楽観には注意が必要です。

・今月の月足が最終的にプラス圏で引ければ、3カ月連続の陽線となる可能性があります。その場合、月足ベースでは上昇トレンドの継続が改めて確認される形となり、投資家心理の改善につながる可能性があります。ただし、現在は始値付近での推移となっているため、月末にかけて買い戻しが入り、陽線を維持できるかが注目点となります。

週足は移動平均線を下回り始める

BTC/JPY price chart with teal 8-EMA line and volume bars; annotations note early-month trend and selling pressure starting in week 2.

・今週は、価格が短期のトレンド指標である8EMAを下回り始めており、週足ベースでのモメンタムに変化が出始めています。8EMAは短中期の相場の勢いを確認する上で重要な水準であり、これまで同線を上回って推移していた局面では、押し目買いが入りやすい状態が維持されていました。しかし、価格が8EMAを明確に下回る場合、これまでの上昇基調がいったん鈍化する可能性があります。

・特に注目されるのは、週足の終値ベースで8EMAを維持できるかどうかです。一時的に下回ったとしても、週末にかけて買い戻しが入り、終値で移動平均線を上回ることができれば、短期的な調整の範囲内と判断されやすくなります。一方で、終値で8EMAを下回る場合は、相場のモメンタムが崩れ始めた可能性があり、下値を試す展開への警戒感が高まります。

取引所保有BTCの数量は増加傾向

Line chart of Bitcoin balance on all exchanges (total) in green and Bitcoin price in USD in black, from Apr 27 to May 25; balance generally rises with fluctuations while price stays between roughly $70k and $100k.

・取引所保有BTCを見ると、足元では取引所に保管されるBTC残高が増加傾向となっています。一般的に、取引所へのBTC流入が増える局面では、投資家が売却に備えて資産を移動している可能性があり、潜在的な売り需要の高まりを示唆します。

・今回の増加は、ビットコインの上値が重くなり始めた時期とも重なっています。価格は高値圏で伸び悩む一方、取引所保有BTCは増加しており、市場参加者の一部が利益確定やポジション調整を進めている可能性があります。この動きは、上昇局面における売り圧力の存在を示す材料として注目されます。

・特に、取引所保有BTCが増加基調を維持している間は、価格が上昇しても戻り売りが出やすく、上値の重い展開が続く可能性があります。現物の売り需要が意識される中では、短期的な反発があっても、価格上昇の持続性には慎重な見方が必要です。

・今後は、取引所保有BTCが増加を続けるのか、それとも下落に転じるのかが重要な確認ポイントとなります。同指標が減少に転じれば、売却目的のBTC移動が一服し、上値圧力の緩和につながる可能性があります。一方で、増加傾向が継続する場合は、引き続き利益確定売りや戻り売りが相場の重しとなりやすいでしょう。

長期投資家の含み損は過去最大と同水準

Line chart comparing Bitcoin long-term holder supply in loss (orange, 14-day SMA) with Bitcoin price (black) from 2020 to 2026. Left axis shows supply in millions of BTC, right axis shows price in USD. The orange line shows several spikes and declines, while the black line tracks BTC price fluctuating between roughly $10k and $60k, illustrating the relationship between holder supply in loss and price over time.

・長期投資家が保有する含み損状態のBTC数量を見ると、足元では同指標がヒストリカルで見ても高い水準に位置しています。長期投資家の保有分のうち、取得価格を下回っているBTCが大きく増えており、市場全体としては過去の調整局面に近いストレスがかかっていることを示唆しています。

・過去の推移を見ると、長期投資家の含み損BTCが同程度の高水準まで増加した局面は、下落トレンドの終盤や底値圏と重なることがありました。長期投資家は短期的な価格変動で売却しにくい傾向があるため、含み損の拡大は相場の弱さを示す一方で、売り圧力がある程度出尽くしつつある局面を示す材料にもなります。

・足元のビットコイン相場は上値が重く、短期的には戻り売りや利益確定売りが意識されやすい状況です。ただし、長期投資家の含み損が過去の底値圏に近い水準まで拡大している点を踏まえると、中長期的には下落トレンドの底を打った可能性も考えられます。

ハッシュレートは足元でゴールデンクロスが発生

BTC hash ribbon chart showing 60D (blue) and 30D (green) moving averages with price (black) from Jul 2025 to May 2026; includes pink shaded zones indicating trends/entries, with price axis on the right.

・ハッシュリボンを見ると、足元ではハッシュレートの30日平均が60日平均を上回り、ゴールデンクロスが発生しています。ハッシュリボンはマイナーの収益環境やネットワーク全体の健全性を確認するうえで参考となる指標であり、30日平均が60日平均を上回る動きは、マイナーの稼働環境が改善しつつあることを示唆します。

・一般的に、ビットコインの上昇相場ではハッシュレートも伸びやすい傾向があります。価格上昇によってマイニングの採算が改善すると、マイナーの稼働意欲が高まり、結果としてハッシュレートの回復や上昇につながりやすくなります。今回のゴールデンクロスも、マイナー側の心理が改善している可能性を示す材料といえます。

・ただし、ハッシュリボンは即座に価格上昇を示す指標ではありません。ハッシュレートの改善はネットワーク面ではポジティブですが、短期的な価格の方向性は需給、ETFフロー、デリバティブ市場、マクロ環境などにも左右されます。そのため、今回のシグナルのみをもって、直ちに相場が上昇基調へ転じたと判断するのは早計です。

・一方で、マイナーの心理改善が確認される点は、相場の下支え材料として注目されます。過去の局面では、マイナーの収益環境が悪化すると保有BTCの売却圧力が強まることがありましたが、足元でハッシュリボンが改善していることは、マイナーからの売りが一巡した可能性を示唆します。

まとめ

・一方で、長期投資家の含み損BTCは過去の底値圏に近い水準にあり、長期的な下落トレンドはすでに底を打った可能性もあります。また、ハッシュリボンではゴールデンクロスが発生しており、マイナーの心理改善や売り圧力の一巡も示唆されます。短期的には慎重な見方が必要ですが、中長期では相場の底堅さを確認する材料も増えつつあります。

・ビットコインは月足で3EMAを上回っており、中期的な上昇基調は維持されていますが、長い上髭や週足で8EMAを下回り始めている点から、短期的には上値の重さが意識されます。加えて、取引所保有BTCの増加は潜在的な売り需要の高まりを示唆しており、同指標が低下に転じるまでは戻り売りに注意が必要です。

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