GMOあおぞらネット銀行は27日、都内で事業戦略説明会を開いた。AIエージェントを活用した業務効率化や顧客体験向上に向けた取り組みが主なテーマとして語られた。
同行は2018年に事業を開始。法人向け銀行サービスやBaaS(Banking as a Service)事業などを展開しており、法人口座数は約25万にのぼる。
この日の配布資料では、現時点では同行が国内で唯一の発行銀行となっているトークン化預金「DCJPY」にも触れられた。同行は、ディーカレットDCPが手がけるプラットフォームを活用し、トークン化預金を発行している。
なお昨年、ゆうちょ銀行も2026年度中のDCJPY活用を発表しており、トークン化預金をめぐる取り組みは広がりつつある。
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また今年4月には、同行がディーカレットDCPやアビームコンサルティングと共同で進めるトークン化預金を用いた内国為替の銀行間決済の高度化に関する取り組みが、金融庁の支援案件に採択されている。
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しかし、記者発表中には、トークン化預金への直接的な言及はなかった。NADA NEWSは会見後、代表取締役会長の金子岳人氏に話を聞いた。
金子氏は、トークン化預金について実用化を進めていく姿勢を示したうえで、「マルチバンク化がなかなか進んでいない」と指摘。現状のように単一銀行内の閉じた世界では、十分なメリットを発揮しづらいと説明した。
現状でも、GMOあおぞらネット銀行同士の振込手数料は個人口座・法人口座ともに無料となっている。単一銀行内の閉じた仕組みにとどまる限り、トークン化預金ならではの付加価値を出しづらい事情がある。
また、AIエージェントの普及によって、将来的にトランザクション数(取引数)が急拡大し、マイクロペイメントが発生する可能性にも言及。そのうえで、ブロックチェーンは「基盤の1つとして組み込まれていくもの」と位置づけた。
一方で、「ユースケースがまだうまく成り立っていない」とも述べ、「これからの議論」になると最後に付け加えた。
実証実験や議論は進みつつあるものの、トークン化預金の社会実装は模索段階にあり、活用の実像が見えてくるにはまだ時間がかかりそうだ。
|取材・文:橋本祐樹
|トップ写真:GMOあおぞらネット銀行の代表取締役会長を務める金子岳人氏(会見のオフィシャル素材から)



