・米証券取引委員会(SEC)は、2万5000ドルのパターン・デイ・トレーダー(PDT)ルールを撤廃した。25年続いた制限が終わり、数百万人規模の個人投資家が積極的な売買に参加しやすくなる。
・固定の口座残高要件に代わり、リスクに基づくリアルタイムの日中証拠金制度が導入される。
・Bitwise Asset Management(ビットワイズ・アセット・マネジメント)の最高投資責任者(CIO)であるマット・ホーガン氏は、参入障壁の低下によって、個人投資家のビットコインETF参加が加速する可能性があるとみている。
SEC、PDTルールを撤廃 リアルタイム証拠金の新制度を導入
SECは4月14日、2万5000ドルのパターン・デイ・トレーダー(PDT)ルールを撤廃した。これにより、数百万人規模の個人投資家が積極的な売買に参加できるようになる可能性がある。
この決定により、少額口座の投資家について、5営業日以内に3回までしかデイトレードを認めてこなかった25年にわたる制限が終了する。これに代わり当局は、市場エクスポージャーをリアルタイムでより適切に反映する、リスクベースの日中証拠金(Intraday Margin、IML)制度を導入した。
新制度では、トレーダーに一定額の口座残高を求めるのではなく、取引時間中を通じて保有ポジションをカバーするのに十分な自己資本を維持することが求められる。証券会社には、証拠金リスクをリアルタイムで継続的に監視する責任が課される。
取引が証拠金の上限を超えた場合、証券会社はその注文を即座にブロックするか、取引終了時点で追証を求めることができる。営業日ベースで5日以内に日中の証拠金不足が解消されなければ、新規ポジションの建てやレバレッジ拡大は90日間制限される。
一方、不足額が1000ドル未満、または口座資本の5%未満である場合は例外扱いとなり、軽微な超過にとどまる個人投資家は罰則の対象外となる。
新ルールは、金融業規制機構(FINRA)が最終的な規制通知を公表してから45日後に発効する。一部の企業は早期に対応する可能性があるものの、段階的な導入により、証券会社にはリアルタイムのリスク監視体制を完全に整備するまで最長18カ月の猶予が与えられる。
Robinhood株の24%上昇が示す個人マネーへの期待 BitwiseのCIOはETF需要拡大に注目
この発表を受け、Robinhood(ロビンフット)の株価は先週の安値から20%超上昇し、87ドルまで値を伸ばした。市場では、新たな個人投資家の流入と取引件数の増加期待が織り込まれた格好だ。

2026年3月の同社レポートによると、ビットコイン関連銘柄であるMarathon Digital Holdings(MARA)、IREN Limited、Strategy(MSTR)は、いずれも売買上位10資産に入っていた。
Bitwise Asset Managementは、ビットコイン(BTC)やソラナ(SOL)関連商品を中心に、運用資産総額(AUM)約44億ドルの21本のETFを手がけている。

今回のインタビューでは、Bitwiseの最高投資責任者(CIO)であるマット・ホーガン氏に、SECによる取引障壁の引き下げがビットコインETF(上場投資信託)や資産のトークン化に与える影響、そして取引機会が広がる個人投資家に対し、Bitwiseがどのような戦略を描いているのかを聞いた。
1. 個人投資家の取引拡大とETF市場への影響
──SECはこのほど、2万5000ドルのパターン・デイ・トレーダー(PDT)基準を撤廃し、事実上、数百万人の個人投資家が積極的な売買に参加できる環境を整えた。この変化は、ネイティブな暗号資産取引所と比べて、現物ビットコインETFのボラティリティや価格形成にどのような影響を与えると考えるか。
ホーガン氏: 少なくとも一定程度は、この変更がETFの取引活発化を後押しするだろう。積極的に売買する投資家にとって、不合理な制約が減るためである。ただし、取引の大半はより大規模な機関投資家によって担われているため、影響が極端に大きくなるとはみていない。
2. Bitwiseの戦略と商品ポジショニング
──Bitwise Asset Managementは、米主要取引所でビットコイン、イーサリアム(ETH)、XRP(エックス・アール・ピー)、アバランチ(AVAX)に連動するETF商品を展開している。個人投資家向けの取引プラットフォームで暗号資産関連株の人気が高まる中、PDTルールの見直しによって新たに市場へ入ってくる個人投資家に対応するため、何らかの戦略変更を予定しているか。
ホーガン氏: 当社の市場戦略に特別な変更は想定していない。当社の商品は基本的に、暗号資産の成長機会を長期で捉えたい投資家向けに設計している。
──この規制変更は、Bitwise社内でも事前に想定していたものだったのか。また、ここまで実施が遅れた背景をどうみているか。
ホーガン氏: 当社は、この規制変更を特別に注視していたわけではない。
3. 暗号資産関連株とトークンの関係
──Robinhoodの2026年3月レポートでは、Marathon Digital Holdings、IREN Limited、Strategyなどのビットコイン関連株が、最も活発に取引された資産の上位に入っていた。また、Robinhood本体の株価もPDT基準撤廃を受けて上昇している。こうした動きを踏まえると、個人投資家の選好はオンチェーン資産への参加よりも、高頻度売買のしやすさやなじみのある伝統的金融(TradFi)チャネルへ戻るとみているか。
また、その場合、こうした流れはトークン化されたオンチェーン資産への需要を鈍らせるのか。それとも、24時間365日の市場アクセスだけでも暗号資産市場の勢いを支えるのに十分だと考えるか。
ホーガン氏: 少なくとも一定程度は、TradFiチャネルを通じた個人投資家の取引が増えるだろう。ただし、それがトークン化されたオンチェーン資産への需要を弱めるとは考えていない。24時間365日の取引、DeFiへのアクセス、国境を越えた利用など、トークン化資産には依然として優位性があるからだ。
4. ワシントンにおける規制の流れ
──SECによる今回のPDTルール見直しという個人投資家寄りの動きは、2026年後半に向けたワシントン全体の暗号資産規制の流れをどう変えるとみているか。Clarity Act(デジタル資産市場明確化法)はどの程度早く成立すると予想しているか。
ホーガン氏: 暗号資産はワシントンで引き続き大きな前進を見せている。たとえば最近では、FDICがGenius Actをめぐるルール整備を進め、SECもDeFiフロントエンドがブローカーディーラー免許を取得せずに機能できるような指針を打ち出した。ワシントン全体の流れは、イノベーションと必要な保護のバランスを取る、より合理的で常識的な規制へ向かっている。
率直に言えば、Clarity Actが成立するかどうかは分からない。最近は前向きな進展もみられるが、依然として大きなハードルが残っている。特に、ステーブルコインの利回り、DeFiにおける保護、私的利益をめぐる問題などが論点だ。仮に成立するとしても、ここ数カ月のうちに成立しなければ、かなり長く待つことになる可能性がある。
5. 地政学的資産としてのビットコイン
──最近の記事で、各国が金融インフラを武器として用いる世界において、ビットコインは政治色を持たない代替手段として台頭していると述べていた。今後、国家はビットコインの大規模な個人普及によって戦略的優位を得ると考えるか。それとも、各国政府による準備資産としての積み増しのほうが、より大きな役割を果たすとみているか。
ホーガン氏: その両方である。もっとも興味深いのは、市場が広範な個人普及は予想している一方で、国家レベルでの受け入れには懐疑的なことである。しかし、その見方は時間とともに変わっていくだろう。
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