これまでの弱気相場とは様相が違う:Chainlink共同創業者が指摘

Chainlink(チェーンリンク)共同創業者のSergey Nazarov(セルゲイ・ナザロフ)氏がXへの投稿で、現在の暗号資産(仮想通貨)市場の弱気相場は過去のものと「本質的に異なる」と分析している。市場全体の時価総額は昨年10月の4兆4000億ドル(約682兆円、1ドル=155円換算)から約44%縮小し、約2兆ドル(約310兆円)が市場から流出したものの、ナザロフ氏は今回の下落局面はこれまでの弱気相場とは違うと見ている。

ナザロフ氏が指摘する最大の違いは、大規模な破綻やシステミックな危機が発生していない点だ。過去の弱気相場では、FTXの崩壊や大手レンディング企業の破綻など、大きな機関投資家の破綻が市場全体のセンチメント悪化を招いたが、今回の下落では大きなリスク管理の失敗や機関投資家の破綻が見られないとしている。これは市場の基盤やインフラが過去数年で強化された結果だとナザロフ氏は評価する。

もうひとつの特徴として、トークン化された現実資産(RWA)をオンチェーンで保有することが発展している点を挙げた。これは暗号資産の価格とは独立して成長しており、RWAのオンチェーン総価値はこの1年で約300%増加しているとのデータもあり、投機に依存しない実需が定着していることを示すとナザロフ氏は述べている。

ナザロフ氏は弱気相場を過度に懸念せず、現在のサイクルは価格の上下よりも「業界がどこまで進歩したか」を浮き彫りにしていると彼は強調している。ブロックチェーン技術が単なる投機の対象から、金融システムのバックエンドとしての「有用性フェーズ」へ移行したことで、価格下落に関わらず機関投資家による採用とインフラ構築は不可逆的に進んでいるという。特にトークン化資産やDeFiプロダクトは、市場価格に依存しない価値を生み出す流動的な環境を提供しており、今後の採用拡大につながるという展望を示している。

|文・編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock

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