米連邦準備制度理事会(FRB)が、「スキニーマスターアカウント」と呼ばれる簡易版のFRB決済口座を通じて暗号資産(仮想通貨)企業やフィンテック企業に中央銀行への限定的なアクセスを認めることを検討する中、米下院金融サービス委員会は24日、この構想について公聴会で議論した。The Blockが報じた。
共和党のDan Meuser(ダン・ミューザー)議員は、「FRBの決済システムへのアクセスは小さな問題ではない」とした上で、「こうした極めて重要な決済インフラへの直接アクセスを誰に認めるべきか」と問いかけたという。
FRBのChristopher Waller(クリストファー・ウォラー)理事は2025年10月、スキニーマスターアカウントという構想を初めて公表した。
マスターアカウントは金融機関がFRBに保有する口座で、これを取得すれば、仲介銀行を介さずに米国の主要決済ネットワークに直接接続することが可能となる。
その後、暗号資産企業やフィンテック企業にもFRBの決済システムへのアクセスを認めるべきかどうかを巡り、多数の意見書が提出された。
また、2026年5月には、Donald Trump(ドナルド・トランプ)大統領が「フィンテックイノベーションの規制枠組みへの統合(INTEGRATING FINANCIAL TECHNOLOGY INNOVATION INTO REGULATORY FRAMEWORKS)」と題した大統領令に署名。
トランプ氏は大統領令の中で、FRBのマスターアカウントおよび決済サービスへの直接アクセスを暗号資産企業を含むフィンテック企業に許可する方針について評価するよう、FRBに指示した。
これとは別に、カンザスシティ連銀は3月、暗号資産取引所Kraken(クラーケン)の銀行部門であるKraken Financial(クラーケン・ファイナンシャル)に対してマスターアカウントを付与し、クラーケンは米国史上初めてFRBの決済インフラに直接接続するデジタル資産銀行となった。
こうした一連の動きにより、暗号資産企業やフィンテック企業によるFRB決済口座への直接アクセスを巡る議論が活発化した。
The Blockによると、公聴会では、米国初の連邦認可暗号資産銀行であるAnchorage Digital(アンカレッジ・デジタル)のグローバル事業責任者、Rachel Anderika(レイチェル・アンデリカ)氏が、イノベーションを促進する規制枠組みの整備を求めた。
アンデリカ氏は、「私が学んだ重要な教訓の1つは、米国が今後も世界の金融の中心であり続けるためには、イノベーションを可能にする連邦・州レベルの規制枠組みが必要だということだ」と述べたという。
|文・編集:廣瀬 優香
|画像:Shutterstock



