暗号資産(仮想通貨)投資会社のKeyrock(キーロック)は22日、AI(人工知能)エージェントによる決済処理が過去12カ月で構想段階から現実のものへと移行し、2025年5月から2026年4月までの間に1億7600万件の取引を通じて7300万ドル(約116億8000万円、1ドル=160円換算)が決済されたとする調査報告書を発表した。暗号資産決済システムは1ドル未満の少額取引を効率的に処理できることから、ステーブルコインがAIエージェントのデフォルトの決済レイヤーとなったと指摘している。
報告書は暗号資産取引所Coinbase(コインベース)とブロックチェーンプラットフォームTempo(テンポ)との共同執筆。Keyrockの研究者Ben Harvey(ベン・ハーベイ)氏は「過去12カ月の間に、マシン間決済は概念段階から発展したエコシステムへと移行した」と述べ、既存の事業者がこの新たな決済スタックでの地位を確保するために80億ドル(約1兆2800億円)超の買収を実行したと指摘している。
ハーベイ氏によると、今年第1四半期末時点で15以上のディレクトリに10万4000を超えるエージェントが登録されており、平均取引額は約31セント。「1取引あたり約30セントの固定手数料を伴う従来の決済システムでは、1ドル未満の取引は採算が合わない」とし、「ステーブルコインはマシン間商取引における決済レイヤーの地位をほぼ必然的に獲得した」と論じた。
一方で、ハーベイ氏はAIエージェントによる決済の98%超がCircle(サークル)のUSDコイン(USDC)で行われている点に懸念を示している。「この集中は脆弱性ももたらす」とし、「Circleが規制上の課題、ペッグ解除、長期的なシステム停止に直面した場合、エージェント経済に代替手段はない」と警鐘を鳴らした。
|文・編集:井上 俊彦
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