・21Sharesは、ティッカーシンボル「THYP」でHyperliquid ETF(上場投資信託)をナスダックに上場する予定だ。
・地政学的なボラティリティの高まりとコモディティ取引の活発化を背景に、Hyperliquidのデリバティブ市場シェアはバイナンス(Binance)に対して上昇を続けている。
・Ondo Financeがトークン化株式とETFをHyperliquidのHyperEVMエコシステムに導入したことで、強気ムードは一段と強まった。
発行体間の競争が激化するなか、21SharesがHYPE ETFをローンチへ
スイスを拠点とする21Sharesは月曜日、Hyperliquid ETFを5月12日にティッカー「THYP」で正式にローンチすると発表した。同社は暗号資産の上場取引型商品(ETP)を手がける世界最大級の発行体の一つであり、今回のETFにより、米国の機関投資家や個人投資家向け証券口座を通じて、規制下でHyperliquidへのエクスポージャーを得られる手段が広がる。
同ファンドはナスダックへの上場が予定されており、手数料および諸費用を差し引いた後、FTSE Hyperliquid Indexを通じてHYPEに連動する。
公式の届出目論見書によると、21Sharesが法務・規制・税務上の重大な問題を引き起こさずに実施できると判断した場合、同ETFはステーキングにも参加する可能性がある。
同トラストは、カストディアンとしてAnchorage Digital BankとBitGoを指定している。また、Bank of New York Mellonが管理者、名義書換代理人、現金カストディアンを務める。
届出書類では、バリデーター運用を支援するため、ステーキングインフラ提供企業のFigmentを起用したことも明らかにされた。同ETFは、流動性要件や市場環境に応じて、保有するHYPEの30%から70%をステーキングする見通しだ。
今回のローンチにより、Hyperliquid関連商品を伝統的な金融市場に持ち込もうとする発行体間の競争は一段と激化する。Bitwise Asset Managementは最近、ティッカー「BHYP」で独自の現物Hyperliquid ETFを申請しているほか、Grayscale Investmentsも4月、提案中のGrayscale HYPE ETFに関連する登録届出書を修正している。
戦争を背景にしたコモディティ取引が追い風、Hyperliquidの未決済建玉は90億ドルに拡大
Hyperliquidの急成長は、世界的なマクロ環境のボラティリティ上昇や、コモディティ、地政学リスクをめぐる投機的取引の増加と密接に結びついている。
最近の中東紛争が激化した初期段階では、Bloombergの報道が、Hyperliquid上での取引活動の増加に注目していた。トレーダーが従来型の取引所インフラの外側で、原油、コモディティ、暗号資産のボラティリティに対するレバレッジ取引を求めたためだ。
その後も、HyperliquidのDEXプロトコルは利用指標で伸びを続けており、特に世界最大の中央集権型取引所であるBinanceに対して存在感を高めている。

取引活動の規模で見ると、すべての未決済契約の総額を示すHyperliquidの未決済建玉は、火曜日時点で92億ドルに増加した。これは、米イラン間の緊張やホルムズ海峡封鎖への懸念が原油価格を揺さぶり、24時間取引可能な原油市場への需要を高める前の45億ドルから、ほぼ倍増した水準だ。

The Blockのデータによると、Binanceに対するHyperliquidの月間無期限先物取引高の比率は、12月の約10.5%から5月には約13%へ上昇した。中東での停戦交渉がなお不安定な状態にあるなか、ローンチを控える21Shares HYPE ETFのような機関投資家向け商品は、伝統的金融市場からオンチェーン取引プロトコルへ追加の流動性が流入する新たな経路となり得る。
Ondo Finance、米国株をHyperliquidブロックチェーンに導入 TVLは10億ドル規模に
Hyperliquidエコシステムに対する強気の見方は、月曜日にさらに強まった。Ondo Financeが、Ondo Bridgeを通じてトークン化株式とETFをHyperliquidのHyperEVMエコシステムに統合すると発表したためだ。
LayerZeroを基盤とする同ブリッジにより、対象ユーザーは、NVDAon、TSLAon、GOOGLonなど35種類のトークン化資産を、EthereumおよびBNB ChainからHyperEVMへ直接移転できるようになった。これらは、Nvidia、Tesla、Google親会社Alphabetの株式に連動するオンチェーン株式だ。
この統合により、トレーダーはトークン化された現物株式へのエクスポージャーと、Hyperliquidの無期限先物ポジションを組み合わせられるようになる。これにより、ベーシス取引、デルタニュートラルヘッジ、ファンディングレート裁定取引、ポートフォリオヘッジといった高度なオンチェーン取引戦略が可能になる。
MELT FinanceやFelix Protocolなどのプロトコルは、この新たなインフラを統合する初期プロジェクトの一部となっている。
また、DeFiLlamaのデータによると、OndoのGlobal Marketsプラットフォームの預かり資産総額(TVL)は火曜日、2025年の開始以来初めて10億ドルを突破した。
機関投資家関連の追い風にもかかわらず、2026年5月のHyperliquid価格見通しは弱含み
最も強気な予測契約では、HYPEが52ドルを上回るシナリオが示されているが、トレーダーが現在その可能性に割り当てている確率はわずか9%にとどまる。日中にインプライド確率が41%急低下したことは、ETFやOndoの発表後に、トレーダーが上値期待を積極的に後退させたことを示している。
HYPEが48ドルを上回ることに連動する2番目の予測契約でも、インプライド確率は16%にすぎない。確率はさらに35%低下しており、トレーダーが上抜け継続への期待を着実に下方修正していることがうかがえる。
52ドルの市場と比べると、この契約の取引高は2778ドルにとどまり、投機的な確信が全体として弱いことを示唆している。

市場の重心は38ドル付近に集中しているようだ。トレーダーはこの水準に約49%の確率を割り当てている。強気な契約で見られた急激な確率低下と比べると、この水準の確率低下は2%と小さい。これは、トレーダーが暴落や熱狂的な上昇継続ではなく、レンジ内でのもみ合いをより強く見込んでいることを示している。
実際のところ、予測市場は、HYPEが6月にかけておおむね38ドルから44ドルの範囲で横ばい推移する可能性が高いと見ているようだ。
センチメントを左右するもう一つの大きな要因は、6月6日に予定されている4億3300万ドル相当のコントリビューター向けロック解除だ。大規模なロック解除を前に、トレーダーはしばしばヘッジを行う。新たな流通供給が機械的に売り圧力を高める可能性があるためだ。
利益確定売りが進んでいるにもかかわらず、市場はなお、Hyperliquidの構造的な勢いは維持されていると見ている。HYPEが32ドルを下回ることに連動する弱気の下落契約は、直近の反落にもかかわらず、確率がわずか3%にとどまっている。「HYPEが32ドルを下回る」という予測に対して、反対側の「No」を買う価格が97.9セント近辺にあることは、トレーダーが全面的な投げ売りを見込んでいないことを示している。
32ドルを下回る可能性が比較的低いことは、市場がなお、21Shares ETFのローンチやOndo Financeの統合を含む機関投資家による採用の流れを、相場の下支え要因と見ていることを示唆している。



