・OCBC銀行、ライオン・グローバル・インベスターズ、DigiFTは、パブリックブロックチェーン基盤上で展開される東南アジア初のトークン化現物金ファンド「GOLDX」を立ち上げた。
・トークン化ゴールドの時価総額は、テザー・ゴールドとパックス・ゴールドを中心に50億ドルに達しており、オンチェーンでコモディティに投資する需要の高まりを示している。
・3月には地政学的緊張を背景に、アジアの投資家が金上場投資信託(ETF)への資金流入を主導しており、地域全体で安全資産への資金シフトが進んでいることがうかがえる。
シンガポールのOCBC、ライオン・グローバル、DigiFTが提携し、5億2500万ドル規模の金ファンドをオンチェーン化
シンガポールの金融業界が、ブロックチェーンを活用した資産運用の分野でさらに前進した。OCBC銀行、ライオン・グローバル・インベスターズ、DigiFTは、イーサリアム(ETH)とソラナ(SOL)の両方でGOLDXトークンを立ち上げた。この商品は、パブリックブロックチェーン基盤上で発行される東南アジア初のトークン化現物金ファンドである。
発表によると、GOLDXは、LBMA Gold Price AMに連動し、シンガポールの保管庫に保管される全量割当済みの現物金に裏付けられたLionGlobal Singapore Physical Gold Fundについて、規制に準拠した形で、同ファンドの値動きにオンチェーンで連動できる投資機会を提供する商品である。
「GOLDXトークンは、ライオン・グローバル・インベスターズが運用するLionGlobal Singapore Physical Gold Fund(原資産ファンド)のパフォーマンスに連動する、規制準拠のオンチェーン商品である。地政学的および経済的な不確実性が続くなか、原資産ファンドは力強い成長を記録しており、2026年4月16日時点の運用資産残高は6億6940万シンガポールドル(5億2590万米ドル)に達した。設定からわずか4カ月での到達である」─OCBCグループ
GOLDXトークンは、4月16日時点で約5億2500万ドル規模とされる原資産の現物金ファンドのパフォーマンスに連動する。投資家はDigiFTのプラットフォームを通じて、法定通貨またはステーブルコインを使ってこのトークンをできる。
OCBCは、GOLDXトークンの商品設計と商業面の枠組みづくりを主導した。ライオン・グローバル・インベスターズは、トークンの裏付けとなる現物金地金を運用する。DigiFTはトークン化の工程を担い、規制下にある取引プラットフォームを通じてデジタル流通を支えている。
3社はいずれもシンガポール金融管理局の監督下で事業を展開している。

一方、SOLは現実資産(RWA)分野での存在感をさらに強めている。現在、同ネットワーク上のRWA関連資産価値は約19億4000万ドルに達しているが、米国とイランの停戦をめぐる強弱入り交じるシグナルを受けてコモディティ価格が不安定に推移するなか、過去30日では4%減少している。
RWA.xyzのチャートによると、過去1カ月の移転総額は24%超増加して41億1000万ドルに達しており、流動性の高さを示している。RWA保有者数も19万人を超えており、利用者層の拡大が進んでいることがうかがえる。

今回の立ち上げは、トークン化コモディティが世界的に広がりつつあるなかで行われた。CoinMarketCapのデータによると、トークン化ゴールドの時価総額は現在およそ50億ドルに達しており、テザー・ゴールドとパックス・ゴールドがそれぞれ22億ドル超で市場をリードしている。
地政学リスクが資金の流れを変えるなか、アジア主導で金ETFへの流入が続く
GOLDXの立ち上げ時期は、地政学的な事情の異なる地域ごとに、金に対する投資家心理が分かれる動きと重なっている。MacroMicroのデータによると、原油価格の上昇圧力を背景に、アジア市場が金ETF需要を一段と押し上げている。

2026年3月の流入量は9.89トンで、欧米市場がエクスポージャーを縮小し、全体では84.5トンの純流出となるなかでも、買い増しが続いていることを示している。月次ベースで見ると、アジアの金ETFへの資金流入は8月以降一貫してプラスを維持しており、欧州や北米で続く流出とは対照的である。
これは、アジアの投資家が地政学的な不安定さに対して、より積極的に反応していることを示している。
中東の石油供給網をめぐる混乱も、こうした傾向を強めている。エネルギーに連動する価格変動はアジア経済により直接波及しやすく、その結果、金のようなヘッジ手段への需要が高まっている。


