暗号資産(仮想通貨)専業11年目の墨汁うまい(@bokujyuumai)です。暗号資産価格はビットコイン($BTC)が6万ドルを割れる弱い展開を継続していることでイーサリアム($ETH)価格に波及、結果的にアルトコイン全体が下落を継続している状態が続いています。
クラリティ法が進んでいる一方、米国の利上げの可能性が観測されたことでビットコインだけでなくいわゆる「暗号資産の冬」が長引く可能性が浮上しているといえるでしょう。本稿では米国経済が与える暗号資産相場への影響についてわかりやすく解説を行います。
暗号資産の冬とこの5年
暗号資産の冬とはいわゆるビットコインやイーサリアムが長期的に1年以上下落を続ける相場を指し、多くの退場者や塩漬けを出す状態を指します。これはビットコインは史上最高値を明確に更新した一方、イーサリアムは2025年8月に史上最高値をわずかに更新する4955ドルしか更新できなかったことが尾を引いており、アルトコイン全体に波及しているのです。
これまでのイーサリアム史上最高値は2021年11月の4867ドルであり、今回の2025年の史上最高値は5000ドルに届かなかったこと、史上最高値更新と言っても約100ドルしか更新できなかったことから、この5年間はイーサリアム率いるアルトコイン全体が上値が打ち止めだった理由だと言えるでしょう。

このイーサリアムの5年間の苦戦はブラックロックやフィデリティなどのイーサリアムETF承認がビットコインETFと比べて1年ズレたこと、暗号資産推進派のドナルド・トランプ氏の勝利とシャープリンク・ゲーミング(SharpLink Gaming: $SBET)やビットマイン(Bitmine: $BMNR)などの暗号資産トレジャリー企業のローンチなどがあったものの、イーサリアムETFの巨額売りに苦戦したのが大きな理由です。
ようやくイーサリアム史上最高値を超えたところで1年ズレたビットコインが中国レアアース規制とトランプ大統領の外交により暴落、結果的にアルトシーズンを迎える前に長期の「暗号資産の冬」が継続している状態が現状であるといえるでしょう。
FRB新議長の誕生
2026年5月15日、コロナショック後にタカ派として強行利上げをし、利下げに消極的だったジェローム・パウエル氏がFRB議長を退任しました。新FRB議長であるケビン・ウォーシュ氏が22日に無事就任し、パウエル氏はトランプ大統領との決着が着くまでFRB理事として残ることを発表しています。
ウォーシュFRB議長は元々タカ派として知られていますが、AIや暗号資産、特にL2やDeFiなどにも興味を持つ先進技術推進派であるわけです。そのためIT革命が加速的に進む現代において、短期的な利下げに寛容的な人物であり、墨汁うまいとしては短期的なハト派として期待したいところとなっています。
FRB利上げ観測
一方で直近の経済指標では2026年に入ってインフレ率を示すCPIが軒並み上昇しており、1月から2月にかけては2.4%だった一方、3月から3.3%に上昇し、4月にはついに3.8%、5月には4.2%へ上昇していることが下記チャートからもわかります。

一方で2021年11月のFRBのコロナショックにおける量的緩和の縮小となる「テーパリング」発表時と比べると最大は2022年6月の9.1%であり、2021年11月は6.8%となったためこのままCPIが上昇し続けると予定よりも早い利上げの可能性が浮上することになるということです。

ケビン・ウォーシュ新FRB議長はタカ派という見方が強い一方、ジェローム・パウエル元FRB議長がコロナショックと量的緩和(QE)のコントロールをうまくできず、短期的なタカ派として利上げを急激に行ったことを考慮すると、ウォーシュ氏の利上げは慎重になる可能性が考えられるという余地はあるといえるでしょう。
一方で市場全体は2026年9月以降を早期利上げと考える方が強くなってきており、暗号資産の冬を長引かせる要因になる可能性が浮上している状態であるのです。
暗号資産相場の今後
現状ビットコインは2026年2月の最安値である59000ドルを割り、長期下落トレンドを継続するかどうかの瀬戸際に立たされています。現状ビットコインやイーサリアムなどの主要暗号資産はブラックロックやフィデリティなどのETFが購入し、さらにマイクロストラテジー(MicroStrategy: $MSTR)やビットマインなどの暗号資産トレジャリー企業が購入を続けており、現物のサプライショックに近い状態ではあるため、下落率は下がっていく傾向にあるでしょう。
ですが利上げによる影響はさらなる市場の諦めを加速させ、上値は軽くなる一方でトレンド転換のきっかけが作られないことによる、暗号資産の冬が長引く可能性を示唆しているわけです。
ここでポジティブな要素を考慮するならば7月~8月は長期休暇と暑さによる相場の停滞によるいわゆる「夏枯れ」で下落を防ぎ、その間に米中間選挙までにクラリティ法を可決することが暗号資産の冬を脱却するための道筋になると考えられるでしょう。


