米連邦準備制度理事会(FRB)は5月20日、適格金融機関が支払いの清算・決済という限定目的のために利用できる「ペイメントアカウント」、いわゆる「簡易版マスターアカウント」に関する提案を公表し、一般からの意見募集を開始した。
FRBの声明によると、多様なビジネスモデルを持つ金融機関は、コスト削減と決済速度向上を目的として、FRBの決済サービスへの直接アクセスを求めてきた。こうしたアクセス申請の多くは、連邦預金保険の対象外の金融機関によるものだ。提案されている簡易版マスターアカウントは、特定の適格金融機関の清算・決済ニーズに対応しつつ、FRBおよび決済システムに対する重大なリスクを軽減するよう設計されている。
FRBは2025年12月、簡易版マスターアカウント構想の策定に着手するために情報提供要請(RFI)を発表し、45日間の意見募集期間を設けていた。今回の提案は、その際に示されたプロトタイプと実質的に類似しているという。簡易版マスターアカウントの保有者は、日中信用供与や窓口貸出(ディスカウントウィンドウ)を利用できず、残高に対する利息も得られない。
提案には、2025年12月以降に寄せられた意見を考慮した上で、RFIからの一部変更も含まれている。例えば、期末残高の上限は各機関の予想決済活動に基づいて設定されることとなり、最大期末残高も引き上げられた。
制度の透明性と一貫性を高めるため、FRBは現在、簡易版マスターアカウントの制度策定プロセスが完了するまでの間、特定のアクセス申請の審査を一時停止するよう各連邦準備銀行に求めていると述べた。
今回の提案は、60日間の意見募集期間が設けられている。
提案が公表された前日の5月19日には、Donald Trump(ドナルド・トランプ)米大統領がマスターアカウントに関連する大統領令に署名。FRBマスターアカウントへの直接アクセスを暗号資産(仮想通貨)企業を含むフィンテック企業に許可する方針について見直すよう、FRBに指示した。
|文・編集:廣瀬優香
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