ステーブルコインUSDTを発行するTether(テザー)は5月1日、2026年第1四半期の保証報告書を公表し、10億4000万ドル(約1600億円、1ドル=155円換算)の純利益を計上したと明らかにした。報告書は独立系会計事務所BDOが作成したもので、同社の超過準備金は第1四半期に過去最高となる82億3000万ドルへ増加した。
ただし、この報告は3月31日時点の準備資産を示すスナップショットであり、完全な財務監査ではない。テザーは昨年、年間100億ドル超の利益を上げていたが、今回の四半期利益はそのペースを下回る。それでも、収益性の継続が超過準備金の拡大を支えた形だ。
テザーによると、同社の準備資産は引き続き、短期かつ高品質で流動性の高い金融商品に大きく集中している。3月31日時点で、米国財務省短期証券へのエクスポージャーは約1410億ドルに達した。これにより、テザーはサウジアラビアや韓国のような主権国家と並び、世界でも上位20位以内に入る米国債保有者の一つになっているという。
この規模は、テザーが単なる暗号資産(仮想通貨)企業にとどまらず、米ドル需要を国際的に取り込む存在になっていることを示している。USDTの発行量が増えれば、その裏付け資産として米国債などのドル建て資産への需要も高まる。結果として、テザーはステーブルコイン市場を通じて、米ドル流動性の一部を支える役割を強めている。
準備資産には米国債以外の資産も限定的に含まれている。報告書によれば、金の保有額は約200億ドル、ビットコイン(BTC)の保有額は約70億ドルだった。テザーは、この分散について、流動性、耐久性、ストレス環境下で機能するマクロ資産へのエクスポージャーのバランスを意図したものだと説明している。
3月31日時点で、テザーの総資産は1917億ドル超、総負債は1835億ドルだった。そのうち1834億ドルは発行済みデジタルトークンに関連する負債であり、資産と負債の差額として約82億ドルの超過準備が示されている。
|文・編集:Shoko Galaviz
|画像:Shutterstock



