ビットコインマイニング株、AI転換で70億ドル上昇も4月の7万5000ドル回復確率は40%【価格分析】

●BTCの価格変動が小幅であるにもかかわらず、上場するビットコインマイニング関連株は1週間で67億ドル価値を上げた。

●持続的なBTC準備金の投げ売りにもかかわらず、AI(人工知能)およびHPC(ハイパフォーマンス・コンピューティング)契約が同セクターの再評価(リプライシング)を牽引している。

●予測市場が7万5000ドル未満での保ち合いを示唆する中、マイナーの売却増とハッシュプライス指標の低迷が引き続きビットコインの上値余地を制限している。

BTCが7万ドル未満で停滞する中、ビットコインマイニング関連株は上昇

ビットコインが7万ドルの節目を突破するのに苦戦している中、上場しているビットコインマイニング企業は急激な反発を見せている。

上場マイナー全体の時価総額は4月7日に570億ドルに上昇し、週間で12%の上昇を記録、70億ドル以上の価値を上乗せした。

これは、マクロ圧力の強まりからビットコインが7万ドルのレジスタンスを繰り返し突破できず、わずか2%の上昇にとどまっているにもかかわらず起こっている。地政学的緊張が高まる中、月曜日にブレント原油が1バレル115ドルを超えて上昇し、暗号資産市場全体の上値を制限している。

<ビットコインマイニング関連株の総時価総額 | 出所:Bitcoinminingstocks.io>

同セクターは、2月28日の米国・イラン紛争勃発後に630億ドルでピークに達した後、3月31日までに509億ドルまで下落していた。4月初め以降、センチメントは決定的に変化し、マイニング関連株はビットコインの価格軌道からデカップリング(非連動)している。

マイニング関連株に対する投資家の意欲は強まっている。

MarketBeatによると、大手投資銀行のパイパー・サンドラー(Piper Sandler)は第1四半期に、人工知能やハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)への積極的な転換を評価し、MARAホールディングスに対して「オーバーウェイト(買い)」の格付けを新たに付与した。

過去1カ月のビットコインマイナー向けAIおよびHPC契約

マイニング業界は、生産コストの上昇や不安定な暗号資産収益を相殺するため、AIコンピューティング・インフラの基盤として急速にその立ち位置を再構築している。

「現在、上場マイニングセクター全体で累計700億ドル以上のAI/HPC契約が発表されている。WULF、CORZ、CIFR、HUTは、たまたまビットコインをマイニングしているだけの事実上のデータセンター事業者になりつつある」 – ジェームス・バターフィル(Coinshares Research)

2026年2月26日、時価総額第3位のマイナーであるTeraWulfは、128億ドルを超える長期の信用補完付き顧客向けHPC契約を確定させ、同社のレイク・マリナー・データ・キャンパスは北米最大級のAIおよびHPC施設になる見込みである。

<2026年4月7日時点のビットコインマイニング関連株トップ5 | 出所:Bitcoinminingstocks.io>

大規模なリース契約と進行中のキャパシティ拡張に支えられ、同社は現在、収益の約27%をAIおよびHPC事業から生み出している。

コア・サイエンティフィック(Core Scientific)は、400MWのデータセンター拡張によるコンピューティング・インフラへの転換資金を調達するため、2026年3月にビットコイン準備金から1億7500万ドル相当を売却した。

HIVEデジタル・テクノロジーズもベル・カナダと3000万ドルのAIクラウドコンピューティング契約を締結し、2027年までに年間2億ドルの契約収益を目指している。

他社が事業転換にとどまる中、ビットファームズ(Bitfarms)は「キール・インフラストラクチャー(Keel Infrastructure)」にブランド名を変更し、AI/HPCに専念するためにビットコインマイニングへの新規投資を正式にすべて停止した。

HPCおよびAIデータインフラへの投資に向け、約1億6100万ドルの価値がある2400BTCの保有分を売却する計画を確定している。

現在の石油危機に対するビットコインマイナーのレジリエンス

ビットコインマイナーは、米国・イラン戦争に伴う世界的な石油サプライチェーン危機から生じる直接的なコスト圧力から概ね守られている。

世界のマイニング事業は、天然ガス、水力、原子力、再生可能エネルギーなどのエネルギー源に大きく依存しており、原油価格とは概ね切り離されている。リアルタイムデータによると、米国、ロシア、カザフスタン、カナダ、中国がマイニングのトップ5拠点であり、世界のハッシュレートの80%以上を占めている。

<国別のビットコインマイニングハッシュレート | 出所:Worldpopulationreview.com>

これらの国々は安定した地域電力市場の恩恵を受けており、そこでの価格設定は、世界的な石油のベンチマークではなく、現地の供給力学によって牽引されている。

世界のハッシュレートのうち、石油連動型電力の直接的な影響を受ける地域(主に湾岸諸国)で稼働しているのは、わずか推計8〜10%にすぎない。

ルクソール・テクノロジー(Luxor Technology)のアナリストは3月、石油ショックがマイニングコストに与える直接的な影響は「事実上無視できる」と指摘し、マイニングにおけるディーゼル燃料の使用を「統計上の誤差」と表現した。

一方、デリバティブプラットフォームSynFuturesのCOOであるウェニー・ツァイ氏は、真のリスクはマクロ環境にあると強調した。米ドルの上昇や地政学的不安定性は、ビットコインのようなリスク資産にとって逆風となり、間接的にマイナーの収益を圧迫する。

ビットコインマイナーの売却がキャッシュフローを押し上げる一方、BTCへの圧力を高める

株価の評価額が上昇する一方で、マイナーは保有するビットコインの清算を増やしており、供給側の圧力が加わることで価格の上昇が抑えられている可能性がある。

MARAホールディングスは3月4日から3月25日にかけて約11億ドル相当の1万5133BTCを売却し、4月6日(月)にはさらに250BTCを1737万ドルで清算した。

ライオット・プラットフォームズ(Riot Platforms)も2026年第1四半期に3,778 BTCを売却して2億8900万ドルの資金を調達し、4月上旬にはさらに500BTCを追加売却した。

その他にも、セクター全体で財務資産の清算が加速している。ジーニアス・グループ(Genius Group)は債務を清算するためにBTCのポジションをすべて手放し、ビットディア・テクノロジーズ(Bitdeer Technologies)はAIデータセンターへの移行資金を調達するために準備金を売却した。エンペリー・デジタル(Empery Digital)も、担保を解除するために370 BTCを売却し、保有量を減らした。

<ビットコイン(BTC)のハッシュプライスが5年ぶりの低水準に | 出所:Hashrateindex.com>

この売り圧力の波は、マイニングのファンダメンタルズが弱まる中で起きている。Hashrate Indexのデータによると、マイナーの収益性を示す重要な指標である「ハッシュプライス」は1PH/日あたり30ドルを割り込み、5年ぶりの低水準を記録した。

7万ドルを下回る現在の価格水準では、世界のマイニング機器の推定15〜20%が赤字で稼働している。AI主導の再評価が引き続きビットコインマイナーの株式評価を支えているものの、BTC価格が10万ドルの水準を回復できなければ、持続的な下落圧力が生じる可能性がある。

カルシのトレーダーは4月の7万5000ドル突破確率を40%と予想するも、下値リスクが優勢

7万ドルを下回る現在の価格水準では、世界のマイニング機器の推定15〜20%が赤字で稼働している。A

I主導のリレーティング(評価見直し)が引き続き株式評価を支えているものの、ビットコインが10万ドルの水準を回復できなければ、持続的な下落圧力が生じる可能性がある。

予測市場のポジショニングは、こうした慎重な見方を強めている。「ビットコインは4月にいくらに達するか?」というタイトルのポリマーケット(Polymarket)のイベントでは、大半のトレーダーが今月のベースシナリオとして6万5000ドルから7万5000ドルの間での保ち合いを予想している。

しかし、資金配分を見ると、トレーダーが下値リスクに対して積極的にヘッジしていることがうかがえる。

前述の通り、4月7日のリアルタイムデータによると、トレーダーは7万5000ドルの突破確率を43%と見積もっており、その上昇シナリオには合計約22万8000ドルの賭け金が集まっている。

<予測市場:ビットコインは4月にいくらに達するか? | 出所:Polymarket>

対照的に、6万ドル水準への下落に対する賭けには約47万4000ドルの資金が集まっており、弱気な結果に投じられた資金は現在、7万5000ドルを目指す強気の賭け金の2倍以上の規模に達していることを意味する。

一方で、より高い水準では上昇への確信は急激に薄れており、8万ドル超えの動きを支持する確率はわずか17%、賭け金は29万4000ドルにとどまっている。

マイナー主導の供給が増加し、エネルギー市場からのマクロ圧力がリスクオフのセンチメントを強めているため、ビットコインの4月の上値余地は現在、7万5000ドル付近に制限されているように見える。

持続的な売り手側のフローを吸収する強力な需要のカタリスト(きっかけ)が現れない限り、資金ポジショニングの偏りは、6万5000ドル、そして潜在的には6万ドルに向けて下値を試す可能性が高いことを示唆している。

PR

ボーナスで始めるのにおすすめな国内暗号資産取引所3選

取引所名特徴

Coincheck
500円の少額投資から試せる!】
国内の暗号資産アプリダウンロード数.No1
銘柄数も最大級 、手数料も安い
無料で口座開設する

bitbank
【たくさんの銘柄で取引する人向け】
◆40種類以上の銘柄を用意
◆1万円以上の入金で現金1,000円獲得
無料で口座開設する

bitFlyer
初心者にもおすすめ】
◆国内最大級の取引量
◆トップレベルのセキュリティ意識を持つ
無料で口座開設する
Sponsored
「価値の流れは、必ず変わる」大手コンサルからWeb3へ──HashPort吉田世博氏が見据える次の金融インフラの姿とは
ブロックチェーンは「価値の流れ」をどう書き換えるのか。万博デジタルウォレットを手掛ける吉田氏が語る、2026年の金融インフラ。
提供:インベスコ・アセット・マネジメント株式会社