米資産運用会社Ark Invest(アーク・インベスト)は、量子コンピューターがビットコイン(BTC)に与える潜在的影響を分析したホワイトペーパー「Bitcoin and Quantum Computing」を3月11日に公表した。同レポートは、量子技術が将来的に暗号技術を脅かす可能性を認めつつも、現時点では差し迫ったリスクではないとの見方を示している。
ビットコインは公開鍵暗号(楕円曲線暗号:ECC)によって資産を保護しているが、理論上は高度な量子コンピューターが公開鍵から秘密鍵を導き出す可能性がある。Arkは、公開鍵がすでに公開されているアドレスなどを中心に、ビットコイン供給の約34〜35%(約700万BTC)が将来的な量子攻撃の対象になり得ると試算した。一方で、残る約65%の約1300万BTCは構造上、量子攻撃の影響を受けにくいとしている。
ただし同社は、量子コンピューティングの進展は段階的に進むと分析しており、いわゆる「Q-Day(突然暗号が破られる日)」のような突発的な出来事は起きにく、暗号解読が現実となるまでには複数の技術的段階を経ると指摘する。具体的には5つのステージを想定しており、現在はステージ0で量子計算は存在するが実用性は限定的であり、ステージ3に至って実験的なリスクが発生し、ステージ4で暗号解読が可能になるとし、事前の警告シグナルが多く現れると分析している。
さらに、仮に量子コンピューターが脅威となった場合でも、ビットコインはポスト量子暗号への移行やプロトコルのアップグレードなどによって対応可能だと説明している。Arkは、量子技術は長期的な監視対象ではあるものの、ビットコインの存続を直ちに脅かす要因ではないと結論づけている。
|文・編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
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