ステーブルコインは「日常のお金」に移行しつつある:BVNKが調査報告

ステーブルコイン決済インフラを提供するフィンテック企業のBVNKは、世界の消費者によるステーブルコインの利用実態を調査した報告書「Stablecoin Utility Report 2026」を発表した。BVNKはオンライン決済のWorldpayや給与支払いのDeelなどに金融スタックを提供する企業で、年間数十億ドル規模の資金移動を130カ国以上で処理している。

この調査はYouGovと共同で実施され、2025年9月から10月にかけて、アメリカ、イギリス、インド、ナイジェリアなど15カ国の18歳以上4658人を対象にオンラインで行われた。回答者は、過去12カ月以内にステーブルコインを含む暗号資産(仮想通貨)を保有した、または今後取得を予定している層で構成されている。

調査では、ステーブルコインが「投資対象」ではなく給与や日常支出に用いられる「日常のお金」へと移行しつつあることが明らかとなった。特にフリーランスやギグワーカーでは、年収の平均35%をステーブルコインで受け取っており、国際的なクライアントとの取引能力が向上したと回答した割合は73%に達した。また、ステーブルコイン保有者の27%が法定通貨に換金せず、そのまま商品やサービスの購入に利用している。

地域別では、アフリカの保有率が79%と最も高く、今後12カ月以内の取得意向も76%と世界で最高の水準を示した。低・中所得国では為替不安や国際送金コストの高さを背景に、ステーブルコインが生活に直結した決済手段として浸透している一方、高所得国では主に効率化や投資用途としての側面が強いという。

DeFiLlamaによれば、現在のステーブルコイン市場の時価総額は3000億ドル(約46兆5000億円、1ドル=155円換算)以上に達しており、DeelはBVNKを通じて100カ国以上の1万人超のフリーランサーにステーブルコインで給与を支払った実績もある。アメリカのGENIUS法などの規制整備は、ステーブルコインを投機的資産から信頼できる決済インフラへと進化させる基盤となっており、実需主導の採用拡大を後押ししている。

|文・編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock

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