サークルCEO、ステーブルコインは「AIエージェント経済の唯一の解」と強調

2026年1月、世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)で「Where Are We on Stablecoins?(ステーブルコインの現在地)」と題した討論会が行われた。専門家たちが決済コストの削減や金融包摂、規制の必要性について議論を交わす中、USDコイン(USDC)を発行するCircle(サークル)の共同創業者兼CEOであるJeremy Allaire(ジェレミー・アレール)氏は、ステーブルコインがAI時代のインターネット経済を支え、従来の金融システムをアップグレードする不可欠な「インフラ」になるというビジョンを提示した。

アレール氏が最も強調したのは、AIエージェントとステーブルコインの融合だ。彼は、今後数年で数十億のAIエージェントが自律的に経済活動を行う「エージェント経済」が到来すると予測し、そこではAIがデータを消費する際、1セント未満の単位で高速かつ低コストに取引する必要があるが、従来のクレジットカードや銀行送金ではこれは不可能だと指摘した。アレール氏は、お金がスマートコントラクトを通じて「プログラマブル・マネー」になる必要があり、ステーブルコインこそが、この新たな経済圏における唯一の解であると主張した。

また、USDCの取引量が前年比580%増を記録し、暗号資産取引所での利用にとどまらず、Visa(ビザ)やMastercard(マスターカード)の決済インフラにも導入されている実績を強調した。一方で、ステーブルコインが銀行預金を奪い、銀行の融資能力を低下させるという懸念については「まったくのナンセンス」と一蹴し、価値の移動コストがゼロに近づく「New Physics of Money(お金の新しい物理学)」により、資金の回転速度が劇的に向上し、より効率的で透明性の高い金融システムが構築されると述べている。

結論としてアレール氏は、ステーブルコインはAI時代のインターネット経済を支える基盤インフラであり、既存の金融システムをより効率的で開かれた形へとアップグレードする存在になると展望している。

|文・編集:井上俊彦
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