・米連邦準備制度理事会(FRB)は政策金利を据え置き、インフレと議長交代を見極める様子見姿勢を改めて示した。
・地政学的緊張の高まりを受けて原油価格が100ドル台に乗せ、ビットコイン(BTC)などのリスク資産にマクロ面の圧力がかかっている。
・予測市場ではBTCの7万ドル近辺での持ち合いが意識されているが、原油が120ドル方向へ上昇すれば下振れリスクが高まる。
米FRBが金利を据え置き、市場はパウエル議長の最後の判断に注目
4月29日、FRBはフェデラルファンド金利の誘導目標を3.5%〜3.75%に据え置いた。昨年12月の0.25ポイント利下げ以降、これで4会合連続の据え置きとなる。トランプ大統領が後任候補として指名したケビン・ウォーシュ氏への議長交代を前に、今回の連邦公開市場委員会(FOMC)はジェローム・パウエル議長にとって最後の会合になる可能性がある。
政策声明でFRBは、雇用の伸びが緩やかになり、インフレ圧力が根強く残るなかでも、経済活動は堅調なペースで拡大していると指摘した。
FRB当局者は、失業率がここ数カ月おおむね安定している一方、インフレ率は中央銀行の目標である2%をなお上回っていると強調した。背景の一つには、世界的なエネルギー価格の上昇がある。

FOMCは、今後の政策判断について、これから公表される経済指標や労働市場の動向を踏まえて決める姿勢を示した。市場は今回の決定を、インフレリスクが高止まりし、労働市場にも冷え込みの兆しが見えるなかで、FRBが慎重姿勢を続けたものと受け止めた。

発表を受けたビットコインの反応は比較的限定的だった。価格は2%下落し、7万5,000ドル近辺で推移した。米国株も下落して取引を終えた。金利据え置き自体はおおむね織り込み済みだったが、原油価格の上昇による新たな圧力が、リスク資産全体の投資家心理を重くした。
予測市場が原油120ドルを意識するなか、ビットコインに調整リスク
原油市場では、米国とイランの緊張が高まるなかで価格が再び急騰した。WTI原油は105ドル近辺で推移し、ブレント原油は110ドルを突破した。いずれも1日で5%超の上昇となった。
今回の上昇は、ドナルド・トランプ氏がイランに対し、核開発計画をめぐる米国の要求に応じ、ホルムズ海峡の通航を再開するよう改めて警告したことを受けたものだ。
報道によると、米国はイランの輸出に対する制限を拡大する可能性がある。これにより、市場の混乱が長期化するとの見方が強まっている。その結果、トレーダーの間では、エネルギー価格に持続的な上昇圧力がかかるとの織り込みが進んでいる。

予測市場のデータでは、原油価格が5月を通じて高止まりするとの見方が強まっている。110ドル超えに一定の確率が付けられているほか、120ドルに達する確率は50%とされている。この見通しは、原油価格とビットコインの間に負の相関があることを踏まえると、ビットコインにとって下振れリスクとなる。
最近のデータでは、ビットコインと原油の相関はおよそマイナス0.20とされる。これに基づけば、原油価格が120ドルに向けて20%上昇した場合、ビットコイン価格は4%下落する可能性がある。現在の7万5,700ドル近辺から見れば、7万2,600ドル付近まで下落する計算になる。
こうした新たなリスクは、BTCの予測市場における短期的な投資家心理をさらに圧迫している。トレーダーは現在、5月3日までにBTCが7万4,000ドルを下回る確率を51%と見ている。

一方で、こうした逆風のなかでも、機関投資家の需要は引き続き下支え要因となっている。ビットコインには大口投資家からの資金流入が安定して続いており、下落時のボラティリティを和らげる可能性がある。日中には、BTCが7万2,000ドル方向へ反落するとの見方が20%を下回っており、BTCが大幅な下落を回避するとの楽観論も残っている。



