JPモルガンの融資担保解禁、Bitmineの5000ETH取得、ブラックロックETFが重なりイーサリアム急騰──ビットコインに調整リスクも【価格分析】

● JPモルガンは機関投資家向けに、特定の融資商品においてビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)を担保として差し入れることを認める方針だ。

● ブラックロックのステーキングETFが好発進し、運用資産は初日で1億ドルを突破。バリデータ運営にFigmentを指名した。

● イーサリアム財団からの5000ETHのOTC購入により、Bitmineの週間購入量は通常の週間平均を上回り、インサイダーによる売り圧力を吸収した。

イーサリアムが10%の「ゴッドキャンドル」を記録

イーサリアム(ETH)は16日、前日比で10%急騰し、2350ドルまで上昇した。これは1月以来初めての水準であり、同資産にとって今月で最も強い1日のパフォーマンスとなった。

上昇の背景には、伝統的金融(TradFi)とプロトコル開発の両面でポジティブな材料が重なったことがある。

米銀行大手のJPモルガン・チェースは、特定の機関投資家顧客に対する融資の担保としてビットコインとイーサリアムを受け入れる。またブラックロックは、新たに立ち上げたイーサリアムETFのステーキング戦略に関して、初期段階で強い活動が見られたと報告した。

CNBCの報道によれば、JPモルガンのサービスは当初、大口の機関投資家に限定され、借り手は差し入れた暗号資産担保価値の約50〜70%に相当する融資を受けられるという。

ブラックロックの「iShares Staked Ethereum Trust」ETF:2026年3月17日〉

一方、ブラックロックは新たにローンチしたイーサリアムETFのステーキング戦略について重要なアップデートを発表した。同社が提供を始めた「iShares Staked Ethereum Trust ETF」は初日に1550万ドルの取引高を記録し、運用資産残高は1億ドルを超えてスタートした。

この製品のステーキング・インフラを支えるため、同社はネットワークの検証サービスを管理するバリデーター運営者としてFigmentを選定。提出された法的文書によると、同製品は当初、スポンサー手数料を50%免除し、管理コストを最初の1年間(または資産が25億ドルに達するまで)0.12%に引き下げるキャンペーンを実施している。

Yahoo Financeによると、同社のデジタル資産責任者ロビー・ミッチニック(Robbie Mitchnick)氏は、このETFについて、イーサリアムの価格エクスポージャーとオンチェーンのステーキング利回りの両方を求める機関投資家のニーズを橋渡しすることを目的としていると説明。現在、ETHのステーキング利回りは年率約3.1%と推定されている。

予測市場は弱気予想を撤回、ETHがBTCの支配力を侵食

月曜日のラリーを受け、イーサリアムはビットコインに対して市場シェアを拡大させた。

暗号資産市場全体の時価総額は4.12%上昇し、3.3兆ドルを突破した。ビットコインは約3.26%上昇したものの7万5000ドルの下で推移し、イーサリアムは10.40%上昇して2340ドル台で安定した。これは複数の機関投資家主導の強気材料の中で、ETHがより強く選好されていることを示している。

〈ETH対BTCのパフォーマンス:TradingView、2026年3月17日〉

TradingViewのETHBTCチャートによると、イーサリアムは月曜日にビットコインに対して5.4%上昇した。これは2025年10月12日に6%を記録して以来、最大の上昇となる。

年初来のパフォーマンスでは、依然としてビットコインがわずかに優勢である。

ビットコインは約19%下落しているのに対し、イーサリアムは約23%下落している。ただし予測市場のデータは、年内にイーサリアムがこの差を縮めるとの投資家の期待を示している。

〈イーサリアムは先に1000ドルに達するか、3000ドルに達するか」:Polymarket〉

予測市場Polymarketでは、「イーサリアムが3000ドルに到達する前に1000ドルまで下落する確率」は大きく低下。先週金曜日の47%から、現在は34%まで下がっている。これは最近の出来事を受けて、ETHに対する市場心理が明確に変化したことを示している。

ETHの機関投資家需要は、ヴィタリックの最新提案とも一致

強気の物語をさらに補強する要因として、この日早く、ヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏が、ノード運用の簡素化と分散化の強化を目的として、イーサリアムのコンセンサス層と実行層の要素を統合する提案を行った。

この分散化への取り組みは、地政学的な不確実性が高まる中で、検閲耐性を持つ金融インフラへの投資家の関心が高まっている時期に行われた。多くのアナリストは、このトレンドがビットコインと並んでイーサリアムにも恩恵をもたらす可能性があると見ている。

一方で、機関投資家による買い集めは、ヴィタリックや他のイーサリアム関係者による最近の売り圧力を吸収する役割も果たしている可能性がある。

〈2025年3月17日、Bitmineの暗号資産保有高は108億4000万ドルに達した:Coingecko〉

イーサリアム最大のトレジャリー企業であるBitmine Immersion Technologies(BMNR)は、過去1週間で6万999ETHを購入したと発表。この中には、OTC市場を通じてイーサリアム財団から直接取得した5000ETHが含まれている。

同社会長のトーマス・“トム”・リー(Thomas “Tom” Lee)氏は、次のように述べた。

「Bitmineは過去2週間でETH購入のペースをわずかに引き上げている。私たちの基本シナリオでは、ETHは『ミニ暗号資産冬の時代』の最終段階にある。過去1週間では60,999ETHを取得したが、これは最近の平均である週4万5000〜5万ETHを上回っている」

また、個人の「クジラ(大口投資家)」の動きも活発化している。ブロックチェーン分析プラットフォームLookonchainによると、初期のビットコイン支持者でありShapeShiftの創業者でもあるエリック・ヴォーヒーズが関与する取引が確認された。報告によると、彼は約1年ぶりに買いを再開し、月曜日に4900万ドル相当となる23,393ETHを購入したという。

JPモルガン、ブラックロック、Bitmineといった機関投資家の参入と、大口投資家の需要の回復も重なり、イーサリアムはさらなる上昇余地を持つ可能性がある。しかし、ビットコインの価格動向が比較的弱いことから、市場が早期の調整局面に入るリスクも残っている。

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