FX(外国為替)とデジタル資産を横断する機関投資家向けマーケットプレイスを運営するLMAX Group(LMAX グループ)が、暗号資産(仮想通貨)ソリューション企業Ripple(リップル)との戦略提携を発表した。
両社は複数年契約のもと、リップルが発行する米ドル連動ステーブルコインリップルUSD(RLUSD)をLMAXのグローバル取引基盤へ統合し、機関投資家におけるステーブルコイン活用とクロスアセット取引の加速を狙う。
今回の提携には、単なる技術統合以上の意味がある。リップルはLMAXに対し、長期戦略を支援する目的で1億5000万ドル(約240億円、1ドル=159円換算)の資金提供を行う。
両社はこの枠組みについて、摩擦の少ない決済と価値移転を可能にする「より効率的なオンチェーン金融エコシステム」への共通ビジョンを示すものだとしている。
つまり、RLUSD統合は追加機能ではなく、LMAXのクロスアセット戦略そのものを押し上げるエンジンとして位置づけられている。
LMAXグループのCEO、David Mercer(デイビッド・マーサー)氏は、次のようにコメントした。
「リップルのような業界リーダーとの提携は、LMAXにとって重要な節目である。これは、我が社のクロスアセット成長戦略への信頼と勢いを示している。米国および世界で規制の明確性が高まる中、法定通貨担保型ステーブルコインはTradFiとデジタル資産の融合を加速させる重要な触媒となるだろう。そしてRLUSDは、その最前線に位置していると確信している」
顧客側のメリット:担保、決済、保管、オンランプ、24/7
RLUSD統合により、LMAX顧客が得る利点として同社は以下を挙げる。
- 流動性向上:暗号資産現物取引と法定通貨クロス取引で、RLUSDが担保および決済通貨として機能
- マージン効率:パーペチュアル先物やCFDの証拠金としてRLUSDを利用可能
- 安全な保管:LMAX Custodyで分離ウォレットを活用し、TradFiと暗号資産間の移転性を確保
- 機関投資家向けオンランプ:LMAX KioskでRLUSD担保を使い複数のFX・デジタル商品にアクセス
- 24時間365日のクロスアセット市場アクセス:法定通貨では困難な「連続的な資産可換性」を実現
従来の金融は、取引所の営業時間、国ごとの決済時間、銀行システムの稼働制約に縛られてきた。一方、暗号資産市場は元々24時間動いている。その差を埋める存在として、テーブルコインが担保兼決済資産になる意義は大きい。
リップルでステーブルコイン部門を統括するJack McDonald(ジャック・マクドナルド)氏は次のように述べている。
「機関投資家は、ブロックチェーン技術が世界の金融市場構造を現代化する可能性をますます認識している。LMAXは長年、機関投資家が求める透明性と規制対応インフラを提供してきた。この提携により、米ドル建てステーブルコインでトップ5に入るRLUSDの利用が、最大級かつ高度な取引環境の中で加速するだろう」
「LMAX×Ripple Prime」で断片化とカウンターパーティーリスクに挑む
今回の提携は、LMAXのデジタル資産取引所と、マルチアセット・プライムブローカーであるRipple Primeの統合でも強化される。
取引所と、プライムブローカーが組み合わさることで、機関投資家が直面してきた、市場の断片化とカウンターパーティーリスクという2つの課題に対応する。
Ripple Primeの顧客は、LMAX Digitalを主要な価格発見の場として利用でき、深い流動性のもとで安全に保有・取引できるとされる。
|文・編集:Shoko Galaviz
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