米資産運用大手のVanEck(ヴァンエック)は2026年1月9日、暗号資産(仮想通貨)の将来予測に関する最新の報告書「ビットコインの長期資本市場の想定(Bitcoin Long-Term Capital Market Assumptions)」を公開した。このレポートは、2050年までにビットコイン(BTC)価格が2050年までに290万ドル(約に達する可能性を示している。これは長期的な採用・成長モデルに基づく試算であり、同社のデジタル資産研究責任者マシュー・シーゲル(Matthew Sigel)氏とシニア・アナリストのパトリック・ブッシュ(Patrick Bush)氏が執筆したものだ。
報告書の基本シナリオは、現時点の価格水準から年平均約15%の複利成長が続くと仮定し、ビットコインが世界の決済や準備資産として広く受け入れられる構造的な価値上昇を前提としている。具体的には、2050年にビットコインが国際貿易決済の5〜10%、国内取引の5%を担い、各国中央銀行が準備資産の約2.5%をBTCで保有すると推測されている。それにより価格は約290万ドルに届くという。
シーゲル氏は報告書で、ビットコインを「非主権型の準備資産」であり、伝統的な株式評価モデルでは捉えきれない独自の価値を有すると説明する。また、国際金融システムにおける採用が進むほど価格は上昇圧力を受けると指摘した。さらに、ブッシュ氏は「国家債務リスクの増大と法定通貨の信認低下を背景に、ビットコインはリスクヘッジ資産としての役割を強める」と述べている。
報告書では、弱気ケース(年率約2%上昇・2050年約13万ドル)や極端に強気な「ハイパー・ビットコイン化」シナリオ(年率約29%上昇・5340万ドル)の試算も併記され、中央値としての290万ドルが提示された。いずれのシナリオにおいても、ビットコインの価格成長は世界経済における実用性の拡大と金融市場の構造変化次第であるという点が強調されている。
ヴァンエックの予測は大胆である一方、規制や採用ペース、マクロ経済環境など複数のリスク要因も存在する。投資判断においては長期視点だけでなく、短期的な市場変動や制度面の変化にも留意が必要だろう。
|文・編集:井上俊彦
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