Circle、AIエージェントネイティブツール群「Agent Stack」をリリース

米ドル建てステーブルコイン「USDコイン(USDC)」発行元のCircle(サークル)は5月12日、AI(人工知能)エージェント向け金融インフラ「Agent Stack」の公開をXの投稿公式サイトで発表した。AIエージェント自身を主要顧客と位置付けた最初のフルスイートで、Jeremy Allaire(ジェレミー・アレール)CEOは「グローバル経済の次の段階はAIとエージェントによって駆動される」とコメントしている。

提供されるのは「Circle CLI」「Agent Wallets」「Agent Marketplace」と、同社決済基盤Circle Gateway上の「Nanopayments」の4機能。Circle CLIはウォレット管理・USDC送金・スワップ・クロスチェーンブリッジ・スマートコントラクト実行を単一インターフェースで扱えるコマンドラインツールで、Claude CodeやCursor、Codexなど任意のエージェントフレームワークと統合可能だ。Agent Walletsは2-of-2 MPCによる鍵管理を採用し、利用者が管理権限を保持したまま、支出上限やアローリスト等のガードレール内でエージェントが自律的に資産を保有・送金できる。

注目すべきはx402プロトコルとの連携だ。Agent Marketplaceでは「x402互換API」を検索・評価でき、サブスクや事前のAPIキー不要で利用ごとにUSDCで決済できる。Nanopaymentsはx402互換サービス向けにガス代不要・最小0.000001ドル単位の高速USDC決済を提供し、人間向け決済レールでは不可能だった機械同士のマイクロペイメントを実現する。

USDCの流通量が今四半期末で770億ドル(約12兆3200億円、1ドル=160円換算)(前年比28%増)に達するなか、Circleはエージェント経済の決済層を押さえる戦略を鮮明にしている。Amazon(アマゾン)とCoinbase(コインベース)・Stripe(ストライプ)連合やGoogle CloudとSolana Foundation(ソラナ財団)など競合の動きも加速しており、ステーブルコインがAIエージェント時代の標準決済通貨となる流れが業界全体で強まりつつある。

|文・編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock

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