ブロックチェーン分析企業Arkham(アーカム)は5月12日、ブータン王国政府が保有ウォレットから100BTC(約810万ドル、約12億5550万円:1ドル=155円換算)を新たに移動させたとXで報告した。同社によれば、現在の売却ペースが続いた場合、9月末までに同国のビットコイン(BTC)保有残高はゼロになる可能性がある。
アーカムが同日に公開した追加データによると、ブータン政府の2026年年初来の売却総額は2億3039万ドル(約357億1045万円)に達した。残存保有量は約2億5200万ドル(約390億6000万円)相当で、月平均では約5000万ドル(約77億5000万円)分のBTCを売却している計算となる。採掘コストが実質ゼロに近いため、売却益のほぼ全額が純利益となる見通しで、全保有分を現行価格で売却した場合、オンチェーン上の累計利益は7億6700万ドル(約1188億8500万円)以上になる。
ブータンの暗号資産(仮想通貨)保有は、国営投資会社Druk Holding and Investments(ドゥルック・ホールディング・アンド・インベストメンツ、DHI)が管理し、余剰水力発電を活用したマイニングで蓄積されてきた。2024年後半のピーク時には約1万3000BTCを保有していたが、シンガポールのQCP Capital(QCPキャピタル)などを通じた売却で残高は大幅に減少している。
直近1年以上、主要ウォレットへの大規模な入金が確認されておらず、マイニング事業が縮小・停止された可能性も指摘される。また、2024年12月に発表された「ゲレプー・マインドフルネス・シティ」構想へ最大1万BTCを充当する誓約も、現在の残高では達成困難な水準まで落ち込んでいる。世界第7位のBTC保有国とされるブータンは、機関投資家らが買い増す市場の中で数少ない大口の売り手として注目を集めている。
|文・編集:井上俊彦
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