セキュリティ・トークン(ST、デジタル証券)基盤を手がけるProgmat(プログマ)とTMI総合法律事務所は2月18日、不動産事業者向けの「デジタル証券(ST)事業参入支援ソリューション」に関する協業を発表した。ライセンス取得などの法務支援から業務・システム構築までをワンストップで提供する。
不動産STの拡大と参入ニーズ
リリースによると、2025年のST案件残高は5831億円超、2026年には1兆531億円超への成長が予想され、その8割超を不動産を裏付け資産とするSTが占める。
すでに不動産ST市場に参入している不動産事業者は13社、うち2025年に新規参入した事業者は5社。また、これまでは大手証券会社による引受・販売が主流だったが、2025年は不動産事業者自身またはグループ会社による「自己販売」を行う独立系事業者が4社となり、販売チャネルも多様化しているという。
一方で、不動産クラウドファンディング(不動産CF)業界では2025年に複数のトラブル事案が発生。業界団体による自主規制ルールの検討や、金融商品取引法(金商法)への対応を前提とした不動産ST市場への参入など、市場の成熟に伴う戦略転換が求められているとしている。
初期相談から実装までハンズオンで支援
今回発表された「ST事業参入支援ソリューション」では、ProgmatとTMIが企業横断のプロジェクトチームを組成し、包括的な支援を行う。
リリースには「初期的な相談を無償で受け付けたうえで、具体的な検討プロセスに進む場合には専門性の高いコンサルティングサービスをハンズオンで提供」と記されている。

Progmatは2021年に国内初の不動産ST案件を創出した実績を持ち、同社によると、公開済みST案件取扱件数は全80案件中43件、ST取扱金額は全3,294億円超中2,169億円超という。
TMIは、不動産関連事業者への多数の法務支援実績を持ち、パートナー弁護士が不動産関連団体の理事や自主規制ルール検討会の委員を務めているという。
グローバルでは、MMFや株式など、金融商品のトークン化が大きなトレンドとなっている。一方、日本では不動産を裏付け資産とするST市場が成長し、ユニークな軌跡となっているが、大きな枠組み捉えれば、RWA(現実資産)のトークン化、金融のオンチェーン化は国内外を問わず、着実に進んでいる。
今回の発表は、そうした大きな変化の中でのひとつの具体的な取り組みであり、不動産事業者にとっても、ブロックチェーンを活用して、「自らSTを扱う」体制を構築することは現実的な選択肢となりつつあると言える。
|文:増田隆幸
|画像:リリースより
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