イーサリアム、資産トークン化競争で後退──ソラナとアルゴランドが米国株トークンで3000%成長:Sentora/ DL Research【価格分析】

● イーサリアムは、急成長を続けるトークン化株式分野でシェアを失っており、ソラナとアルゴランドが、高速な実行速度と低コストを武器にシェアを広げている。
● トークン化株式は前年比で約3000%急成長し、市場規模は2026年1月時点で約9億ドルに達した。成長率では、93億ドル規模のトークン化米国債市場をはるかに上回る。
● イーサリアムは依然としてオンチェーン米国債分野では支配的で、OndoのTVL(預かり資産残高)は13億ドルに達しているが、競争の激化がその優位性を脅かしている。

イーサリアム価格は2月2日、Bitmineによるタイムリーな購入発表を受け、過去最大規模の清算後にセンチメントが安定し、2%の小幅反発を記録した。しかし、急成長を続ける資産トークン化市場におけるイーサリアムのシェア低下は中長期的な見通しを脅かしている。

BitmineとStrategyが押し目買い、トム・リー氏は「底打ち」示唆──ETHは2200ドル維持に苦戦

週末に発生した過去最大規模となる25億ドルの暗号資産デリバティブ市場の投げ売りが2日の取引に波及し、イーサリアム価格は2025年半ば以来初めて2170ドルを下回った。

〈S&P500指数は2日正午時点で0.5%上昇|YahooFinance

長期投資家として知られるBitmineは、新たなETH購入を開示し、米国株式市場の回復と歩調を合わせる形で暗号資産市場を下支えした。

Bitmine Immersion Technologiesは、約9600万ドルで4万1788ETHを取得し、保有総量を428万5125ETHに増加させた。これはイーサリアム総供給量の3.55%に相当する。

同社のエグゼクティブ・チェアマンであるトム・リー氏は、CNBCのインタビューで、最近の価格低迷はファンダメンタルズではない要因によるものであり、暗号資産市場は現在、底打ち局面にあるとの見解を示した。

ビットコインについては、Strategyのマイケル・セイラー氏が2日、さらなる購入を示唆した。同社は1月26日から2月1日の週に、1BTCあたり平均8万7974ドルで、約7530万ドル相当の855BTCを取得している。

この購入は、A種普通株67万3527株の売却によって調達された約1億0610万ドルの純収入によって賄われた。また、BTC価格が平均取得価格を下回るなかで、新規資金の呼び込みと流動性懸念の緩和を図るため、同社はシリーズA永久型ストレッチ優先株(STRC)の配当利回りを、2026年2月分について11.25%に引き上げた。

現時点では、Bitmineによる押し目買いが直近の急落を食い止めているが、萌芽期にあるRWA(現実資産)トークン化市場での競争力低下は、年内を通じたイーサリアム価格の長期的な見通しに影を落としている。

イーサリアム、資産トークン化でシェア後退──ソラナとアルゴランドが米国株の個人取引を獲得

短期的な価格反発にもかかわらず、イーサリアムの近い将来の見通しと市場支配力は不安定なままだ。SentoraとDeFiLlama関連のDL Researchが2026年1月に発表した共同調査レポートは、主要な成長分野においてイーサリアムよりも競合チェーンを高く評価している。

〈トークン化株式は2026年1月、前年同月比で2900%超の成長を記録|Sentora Research/DefiLlama〉


レポートによると、トークン化株式市場は2025年1月の約3200万ドルから、2026年1月には約9億ドルへと成長し、前年比で約2900%増となった。2025年12月には過去最高となる12億ドルに達した後、2026年1月末にかけてやや減速した。

93億ドル規模のトークン化米国債市場が依然として最大である一方、トークン化株式は約30倍の成長率で拡大しており、個人向け米国株取引を支える高速チェーンに対する投資家の嗜好がその背景にある。

地政学的リスクの高まりによって米国債需要が弱まる中、ソラナは、xStocks向けの主要な基盤として台頭した。ソラナは18.5%のシェア(1億5880万ドル相当)を占め、高い取引処理能力を活かして、レバレッジやアクティブ戦略といった個人参加に適した取引を可能にしている。

また、アルゴランドも、グローバル市場におけるコンプライアンス対応や機関投資家向けインフラ整備で存在感を示した。アルゴランドの15.2%(1億3060万ドル)のシェアは、SEC登録済みの初のトークン化株式であるExodus(EXOD)が、規制対応型証券インフラとして同チェーンを採用したことによるものだ。

イーサリアムの行方は?

イーサリアムは、機関向け決済レイヤーでは依然として優位に立つ一方、高い手数料と混雑リスクにより、個人向けの実行レイヤーでは不利な立場にある。2026年1月時点で、トークン化株式におけるイーサリアムのシェアは38.5%(3億2980万ドル)まで低下したが、機関投資家向けプロダクトの主要な決済基盤であり続けている。

記事執筆時点でも、イーサリアム上には、主要発行体Ondoの総TVL45億ドルのうち13億ドルが展開されており、AaveやMorphoとの深い統合を通じて、担保付きレンディングを支えている。

〈イーサリアム・ドミナンスは2025年1月に12.5%低下|Tradingview〉

TradingViewによるETH.D(イーサリアム・ドミナンス)チャートでは、暗号資産市場全体に占める時価総額シェアが、1月だけで12.5%低下したことが示されている。

急成長を続ける資産トークン化分野での認知とシェアを獲得できなければ、イーサリアムは今後数カ月でさらに後退する可能性がある。

DeFiLlamaによれば、トークン化株式の購入・決済における主要な流動性レイヤーである米ドル建てステーブルコインの供給量は、3050億ドルを突破している。

The Business Research Companyは、2026年1月のレポートで、資産トークン化市場が2026年に世界で2兆0200億ドル規模に達し、年平均成長率37.3%で拡大すると予測している。これは、2022年9月の暗号資産冬の最中に、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)が示した、2030年に16兆ドル、10年末までに世界GDPの10%を占める可能性があるとの楽観的な見通しを裏付けるものだ。

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