イーサリアム、AIエージェントの信頼性を高めるための新しい標準を発表

イーサリアム(Ethereum)は2026年1月、AI(人工知能)エージェントの信頼性と相互運用を高める新しい標準規格「ERC-8004」を発表した。公式発表はXのイーサリアム公式アカウントでも言及され、まもなくメインネットでの導入が見込まれている。ERC-8004は、AIエージェント同士が事前の信頼関係なしに安全に発見・連携できるブロックチェーン基盤を提供するものだ。

ERC-8004は「Trustless Agents」を実現するための標準で、AIエージェントが自律的に行動する際のアイデンティティ(Identity)・評判(Reputation)・検証(Validation)という3つのレジストリ情報をオンチェーンで管理する仕組みを定義している。これにより、従来は閉じたシステム内でしか成り立たなかったAI同士の連携やサービス提供が、オープンなブロックチェーン上でも可能となる道が開かれる。

アイデンティティレジストリ(Identity Registry)は、各AIエージェントに一意で検閲耐性のあるオンチェーンIDを付与するもので、ERC-721(NFT)をベースとした識別子として発行される。評判レジストリ(Reputation Registry)は、エージェントの過去の行動やユーザー評価などの評判・実績情報を蓄積・取得するための仕組みだ。検証レジストリ(Validation Registry)は、第三者機関や検証ネットワークによる実行結果・能力の検証データを記録し、信頼性を補強する。

ERC-8004が採用されることで、AIエージェント同士がブロックチェーン上で「信頼できる組織によって運用され、承認されたモデルに基づいているか」を検証できるようになる。エージェント間の信頼がブロックチェーンで保証されるため、異なる組織やアプリケーション間での自動化された取引・サービス提供が促進されることが期待される。

|文・編集:井上俊彦
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