アメリカの証券取引委員会(SEC)と商品先物取引委員会(CFTC)は2026年1月27日、「U.S. Financial Leadership in the Crypto Era(暗号資産時代における調和と米国の金融リーダーシップ)」と題した共同イベントを開催すると発表した。会場はワシントンD.C.のCFTC本部で、米東部標準時の午前10時(日本時間28日午前0時)から11時まで行われ、ライブ配信される予定だ。
今回の共同イベントは、両規制当局が暗号資産(仮想通貨)に対する規制の調和と協調の取り組みを強調するもので、これまで課題とされてきた管轄権の境界や曖昧な規制環境を是正する狙いと見られる。背景には、昨年12月にCFTCの新委員長にマイケル・セリグ(Mike Selig)氏が就任したことがある。セリグ氏は前職でSECの暗号資産タスクフォースのシニア・アドバイザーを務めており、両者は以前から協働関係を築いてきたとされる。しかし、暗号資産において、SECとCFTCがトップ主導で協調姿勢を明確に打ち出すのは、これまでになく踏み込んだ動きだ。
SECのポール・アトキンス(Paul Atkins)委員長とセリグ氏は共同声明で、「長年、市場参加者は適用が不明確で設計が不整合な規制境界に直面してきた」と指摘し、「このイベントは、アメリカの法の下でイノベーションを根付かせ、投資家・消費者・経済のリーダーシップに資する調和努力をさらに進める」と述べた。
両氏は当日の議論で、SECとCFTCの協調を深化させる重要性や、アメリカを暗号資産市場の世界的中心地にするビジョンについて語る見込みだ。これまで両機関は、どの暗号資産が証券か商品かといった管轄の線引きで業界の不確実性を招いてきたが、昨年からの共同声明・ラウンドテーブルの開催などを通じて調整を進めてきた。
このイベントの意義は、単なる広報的な共同開催にとどまらず、SECとCFTCが規制の調和と透明性向上に向けた積極的な連携姿勢を示す場となる点にある。業界関係者はこれを、アメリカの規制環境がより一貫性を持ち、投資家保護とイノベーション促進を両立させる方向へ進む重要なステップと受け止めている。
|文・編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock