りそなホールディングスとJCB、デジタルガレージが、ステーブルコインを用いた個人向け決済の実用化に踏み出すと16日、日経新聞が報じた。2025年度中に一部のJCB加盟店で実証実験を開始し、2027年度の実用化を目指すという。国内の大手金融機関と決済事業者が、ステーブルコインを個人向け決済に本格活用する動きが明らかになった。
報道によると、実証実験には円建ての「JPYC」やドル建ての「USDC」などを用いる予定。利用者はスマートフォンやタブレットにインストールしたウォレットを使って支払いを行い、店舗側は専用アプリを導入した端末で決済を受け付ける仕組みだ。
ステーブルコインは、円や米ドルといった法定通貨や特定資産に価値が連動するよう設計されており、価格変動の大きいビットコイン(BTC)などと比べ、決済手段としての安定性が高いとされる。ブロックチェーンを基盤としているため、時間や場所を問わず低コストで送金できる点も特徴だ。
これまでステーブルコインは、企業間決済や国際送金といった法人向け用途での活用が主に想定されてきた。今回、国内外に7100万の加盟店を持つJCBが参入することで、個人消費の現場にまで利用範囲が大きく広がる可能性がある。
海外ではステーブルコイン市場が急成長しており、市場規模は3000億ドルを超えるという。カナダ発のネット通販大手Shopifyや米決済大手ストライプは、ステーブルコインを使った決済基盤の整備を進めている。
日本でも、昨年10月に国内初の円建てステーブルコイン(法律上の電子決済手段)JPYCの発行が始まったほか、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行の3メガバンクもステーブルコインの共同発行に向けた方針を示している。
SBIホールディングス傘下のSBIVCトレードは、2026年春からUSDCを活用した実店舗決済の実証実験を予定しているほか、フィンテック企業のネットスターズも、羽田空港の一部店舗でUSDCの取り扱いを始めるとしており、国内でもステーブルコイン決済の実装に向けた動きが広がりつつある。
|文:橋本祐樹
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