米ゲーム小売企業GameStop(ゲームストップ)は、これまで保有していたビットコイン(BTC)について、単なる保有からオプション収益戦略へと転換していたことが明らかになった。年次報告書によると、同社は保有するビットコインのほぼ全量を活用し、カバードコール戦略を実施している。
ゲームストップは保有していた4710BTCのうち、4709BTCを暗号資産(仮想通貨)取引所Coinbase(コインベース)に預け入れ、OTCでのカバードコール戦略に活用した。この動きは、2026年1月に観測された大規模なビットコイン移動の実態を裏付けるものとなる。
当時は売却準備との見方も出ていたが、実際には売却ではなく、デリバティブを用いた収益化のための再配置だった。
カバードコールでプレミアム収益を狙う
具体的には、ゲームストップは保有するビットコインを裏付けとして、短期のコールオプションを売却した。設定された行使価格は10万5000ドル(約1600万円、1ドル=155円換算)から11万ドルの範囲で、満期は3月下旬までとなっている。
この戦略により、オプションのプレミアム収入を得ることができる一方で、ビットコイン価格が行使価格を上回った場合の上昇余地は制限される。
報告書では、この取引に関連して約70万ドルの負債が計上される一方、約230万ドルの未実現利益も記録されている。また、一部の契約は満期時に行使されず終了し、担保として預けられたビットコインは引き続きコインベース側に保管されている。
今回の戦略は、会計上の扱いにも変化をもたらした。コインベースが預託されたビットコインを再利用(リハイポセケーション)できる構造であるため、ゲームストップはこれらの資産を直接保有しているとは見なされなくなった。
代わりに、将来的に同等のビットコインを受け取る権利として「債権」として計上している。これは従来の単純な保有モデルとは異なり、カウンターパーティーリスクを伴う構造への移行を意味する。
同社は、経済的にはビットコインへのエクスポージャーを維持していると説明しているが、ポジションはデリバティブと相手先に依存する形となり、完全に自由な保有状態ではなくなった。
決算時点で、このビットコイン関連の債権は約3億6830万ドルと評価されている。また、ビットコイン価格の下落に伴い、約5970万ドルの未実現損失も計上された。
今回の事例は、企業による暗号資産活用の進化を示している。従来の「保有して値上がりを待つ」戦略から、デリバティブを用いて収益を生み出す運用へと移行する動きが見られる。
特に価格変動が大きい暗号資産市場においては、保有資産を活用してキャッシュフローを生む戦略は、リスク管理の一手として注目される可能性がある。
一方で、このような戦略はカウンターパーティーリスクや流動性リスクを伴うため、単純な現物保有と比べて複雑性が増す。ゲームストップの取り組みは、企業の暗号資産戦略がより金融的・高度化していることを示す一例といえる。
|文・編集:Shoko Galaviz
|画像:Shutterstock
PR
ボーナスで始めるのにおすすめな国内暗号資産取引所3選




