法定通貨は「不安定な実験」──メタプラネットCEO、ビットコイン戦略の必然性を強調

企業によるビットコイン(BTC)保有を推進するメタプラネットと、同社の戦略的子会社Bitcoin Japanは25日、企業財務におけるBTC活用の可能性などをテーマとしたカンファレンス「JAPAN BITCOIN FUTURE FORUM」を横浜で開催した。

メタプラネットは2024年、国内上場企業としていち早くBTCの保有を開始。現時点での保有量は約3万5000BTCに達した。2027年末までに、BTCの発行上限である2100万枚の1%に当たる21万BTCの取得を目指している。最近では、日米の完全子会社設立や円建てステーブルコインの発行を手掛けるJPYC社への出資を発表したことでも注目を集めた。

この日の午前には第27期定時株主総会も開かれており、会場には株主を中心に多くの来場者が詰めかけた。事前申込は2000人を超えたという。

サウンド・マネーへの回帰

冒頭には、同社代表取締役社長のサイモン・ゲロヴィッチ(Simon Gerovich)氏が登壇。「日本におけるビットコインの現状」をテーマに、インフレ耐性や企業価値の長期的な保全といった観点からビットコインを保有する意義を説明した。

ゲロヴィッチ氏は、1971年の金本位制停止に触れ、ビットコインの登場を「健全な貨幣(サウンド・マネー)への回帰」と位置付けた。現在の法定通貨システムは約50年余りの「不安定な実験」に過ぎないと指摘。そのうえで、発行上限が定められたビットコインをエネルギーに裏打ちされた「デジタル・ゴールド」だと表現。誰にも操作できない希少性と透明性が、日本の膨大な個人金融資産を守る「ライフボート(救命艇)」になり得ると語った。

続けて、日本円の価値下落にも言及。2012年と比較して対ドル購買力が50%以上低下した事実に触れ、「現金のまま資産を保有することは、もはや安全な選択ではない」と警鐘を鳴らした。

一方で、日本が世界に先駆けて暗号資産(仮想通貨)の法的枠組みを整備した点や2028年までの実現を目指す売却益に対する20%の申告分離課税適用といった税制改正の動きを挙げ、日本がビットコイン市場で世界をリードする土壌は整いつつあるとの認識を示した。

最後に、現在の日本の立ち位置を1990年当時のインターネット黎明期になぞらえ、日本が再び世界のリーダーシップを握る歴史的な転換点にあると強調。同社のビットコイン・トレジャリー戦略への強い確信を示し、スピーチを締めくくった。

このほか、「Web3時代の日本の競争力」のセッションには、自民党の神田潤一衆議院議員とゴールドマン・サックス証券の政府関連担当部長マネージング・ディレクターの植木博士氏が登壇。暗号資産を「決済手段」から「金融資産」へと定義し直す法改正の動きやAI時代の決済インフラとしての期待、官民連携によるイノベーションの必要性について意見を交わした。

|文・写真:橋本祐樹
|トップ画像:開幕あいさつをするメタプラネット代表取締役社長のサイモン・ゲロヴィッチ氏

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