イーサリアムのステーキング、2月に伸び鈍化──ETFから2億5000万ドル流出、ヴィタリック売却も重荷に【価格分析】

● 12月から1月にかけて急増したイーサリアムのステーキングは、2月に入り成長が停滞している。
● 米国のイーサリアム現物ETFは2日間で2億4000万ドル超の純流出を記録し、売り圧力を強めた。
● 米CPI(消費者物価指数)の鈍化を受けてETHは6%上昇したが、オンチェーンおよび資金フローデータは脆弱なモメンタムを示している。

CPI鈍化でETH反発も、ステーキング指標は上値の重さを示唆

米国のインフレ鈍化を示す最新の米CPI(消費者物価指数)を受け、イーサリアム(ETH)に対するセンチメントは一時的に改善した。セッション序盤に1900ドル近辺まで下落したETHは、1月のCPIが前年同月比2.4%、12月の2.7%から低下し、市場予想の2.5%も下回ったことを受けて2050ドルを上回った。

この弱いインフレ指標を受けて、S&P500は0.5%上昇し、暗号資産市場全体の反発を支えた。

しかし、このマクロ環境の追い風にもかかわらず、オンチェーンデータは今回の反発が短命に終わる可能性を示している。

〈イーサリアム2.0のステーキング参入キューは1月に750%増加後、2月に410万で停滞|ValidatorQueue〉

12月の米国・グリーンランドを巡る地政学的危機の発生時、イーサリアムのステーキング・バリデーターキューには新規預入が流入し、ボラティリティ下で利回りの安定を求める機関投資家の参加者が動いた。12月27日から1月20日にかけて、ステーキング参入キューは46万9408ウォレットから407万2327ウォレットへと750%超拡大した。ステーキングの総供給量も、12月初旬の約3480万ETHから1月下旬には3670万ETHへと増加した。

しかし、その勢いは現在失速している。

2月初旬以降、ステーキング参入キューはほぼ横ばいで推移し、記事執筆時点で408万6240となっている。今月キューに加わった新規ウォレットは1万4000未満にとどまる。ステーキングされたETH総量も3670万ETHで横ばいとなっている。

価格が圧迫されるなかで急速な預入サイクル後にステーキング成長が鈍化すると、その防御的メカニズムは機能を弱める。新規預入による流動性吸収が減少することで、特に流動性が低下し、板が薄くなりやすい週末を前に、ETH価格は売り圧力に対してより敏感となる。

ヴィタリック売却とETF流出が弱気センチメントを増幅

今週のイーサリアム市場では、機関投資家の売却とインサイダー関連の資金移動が重なる形で、新たな弱気ナラティブが形成された。

2月2日から6日にかけて、イーサリアム共同創設者のヴィタリック・ブテリン氏は約6183ETH(約1320万ドル相当)を移転・売却した。ブテリン氏は、これらの取引は事前に計画されていたものであり、イーサリアム財団の取り組みやバイオテック研究への資金拠出を目的としたものだと説明している。


〈イーサリアム2.0のステーキング参入キューは1月に750%増加後、2月に410万で停滞|ValidatorQueue〉

同時に、米国のイーサリアム現物ETFでは大幅な資金流出が発生した。2月11日と12日の2日間だけで、それぞれ1億2900万ドル、1億1300万ドルの純流出を記録し、合計で2億4000万ドル超の売りとなった。

ブテリン氏の売却額自体はETHの時価総額に比べれば限定的だったが、創業者の資金移動とETFの償還加速が重なったことで、センチメントには圧力が強化された形となった。個人投資家はしばしばインサイダー関連のフローを方向性シグナルとして受け取る傾向があり、ファンダメンタルズに変化がなくとも売り圧力が強まる。

イーサリアム価格見通し:弱気ペナント収縮で1900ドル支持線が再び焦点に

12時間足チャートでは、今月初めに1750ドル付近まで急落した後、ETH価格は明確な弱気ペナント構造内で収縮している。2070ドル近辺への反発は決定的なフォロースルーを欠き、2120ドル付近の下降トレンドライン下で安値切り下げが続いている。

■イーサリアム(ETH)テクニカル分析|出典:TradingView

現在、ETHは2047ドル付近で推移し、ボラティリティが縮小するなかでペナント上限に接近している。こうしたフォーメーションは、一般に直前のトレンド方向に解消する傾向がある。現状では、強い出来高を伴って2120~2150ドルのレジスタンス帯を回復しない限り、トレンドは弱気のままである。

RSIは売られ過ぎ水準から42.5まで回復したが、中立水準である50を下回っており、モメンタムは改善しつつも強気への完全な転換には至っていない。パラボリックSARのドットは依然として価格の上方に位置しており、短期的な下方向バイアスを補強している。

1980ドルを下回れば、1850~1900ドル帯への測定値目標が意識される。一方で、2120ドルを明確に上抜けて定着すれば、ペナントは否定され、短期的な構造は2250ドル方向へと転換する可能性がある。

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