本記事は、グローバルで約340兆円規模※の資産を運用し、伝統的資産からオルタナティブまで幅広く投資を行う米国の独立系運用会社インベスコ・リミテッドの日本法人であるインベスコ・アセット・マネジメント提供の特集企画として、ブロックチェーン領域の最前線を走るプレイヤーの視点から、その成長可能性を紐解いていく。
※2025年12月末現在。
インターネットが「情報の流れ」を変えたように、ブロックチェーンは「価値の流れ」を書き換えていく──。そう語るのが、大阪関西・万博で「EXPO2025デジタルウォレット」を提供し、万博終了後「HashPort Wallet」とリブランディングして、サービスとユーザーの拡大に取り組むHashPort代表取締役CEOの吉田世博氏だ。
ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)でブロックチェーン関連の新規事業創出の最前線に立ちながら、なぜ2019年、大規模な暗号資産流出事故後の逆風下にあったブロックチェーン領域での起業を選んだのか。そして今、ウォレットやステーブルコインを「次の金融インフラ」と位置づける理由とは何か。
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※本記事は、ブロックチェーンの事例をわかりやすくご説明するための例示です。上記の銘柄に投資するものではありません。また、上記銘柄への投資を推奨・勧誘するものではなく、当ファンドにおける将来の組み入れまたは売却を示唆・保証するものではありません。ファンドのリスク・手数料等は記事の下部をご確認ください。なお、投資信託の詳細はインタビューの後に。
ブロックチェーンの将来性を確信

──大手コンサルティング会社に勤務されていた中で、ブロックチェーンに可能性を感じたきっかけは何でしょうか。
私は2018年まではBCGにおり、その中でも今のBCG X、当時はまだいろいろなデジタル関連のチームが分かれていたのですが、BCGデジタルベンチャーズというチームで、クライアント企業と一緒にジョイントベンチャーを作ってDXや新規事業を創出するチームにおりました。
当時のBCGデジタルベンチャーズの日本代表、今のBCG Xのアジア・パシフィック地区代表の平井陽一朗さんは新しいテクノロジーのシーズ探索※にすごく積極的で、私たちのような若手コンサルタントもよく情報収集・分析をしておりました。 その中で、ブロックチェーン技術の面白さ、魅力を知りました。当時はすでに北米市場では暗号資産交換業が非常に成長していました。
その後、業務で2017年〜18年にかけて上海に駐在したのですが、大学時代に北京にある清華大学に交換留学をしていたときの同級生が暗号資産の交換所やプロジェクトを立ち上げていて、非常に速いスピードで分散型の金融マーケットが成長していることを実感しました。
※企業や研究機関が持つ自社の技術、アイデア、ノウハウなどの「種(シーズ)」を発掘・育成し、それを基に新たな製品や事業を創出する活動。
──そうした体験が起業につながったのでしょうか。
2018年に帰国し、ブロックチェーンの領域で企業とのコラボレーションを提案していこうと考えていたときに、日本の大手暗号資産取引所の流出事件があり、BCGのお客様に暗号資産ビジネスを提案することが難しい環境になりました。
この先、どうするかを悩んでいた時期にソニー元会長の出井伸之氏と一緒に中国に行く機会があり、「ブロックチェーンのビジネスをやりたいのですが、今やるべきか迷っています」と相談させていただいたところ、出井さんから「唯一変わらないことは、変わり続けなければいけないことだ」「私が君の年齢だったら、今すぐ会社を辞める」と帰国便を待つ上海の空港で言われ、帰国してすぐに辞表を提出し、2018年7月にHashPortを設立しました。
厳しいタイミングでの起業

──HashPortを創業され、最初に取り組んだことは何でしたか。
大きなプラットフォーマーと一緒にブロックチェーンの社会実装を進めていきたいと考えました。コンサルタントの基本的な考え方のひとつとして、「お金は新たに生まれてくるものではなく、今あるお金の流れが変わる」「世の中にある富の総量は変わらず、配分(アロケーション)先が変わっていく」というものがあります。
なので、ゼロからマーケットを立ち上げるのではなく、世の中で非効率的にアロケートされているリソースを、大企業と連携しながらブロックチェーン技術を生かしてうまくアロケートしていくことに取り組みたいと考えました。ただ、流出事件後でもあり、最初の半年間は仕事がなく、コンサルタントの仕事をスポットで受けて生活していました。
その後、ようやく2019年に流出事件後初めて国内で暗号資産の新規取り扱い申請が再開され、海外のブロックチェーン企業が交換業を通して日本でビジネス展開できるようになりました。そこで、グローバルな暗号資産プロジェクトの日本展開をサポートすることに注力しました。
ウォレットの可能性とは
──今、最も注力していることは何でしょうか。なぜそこに可能性を見出しているのでしょうか。
ウォレットです。ウォレットとは、ブロックチェーンにおけるユーザーの「財布」で、大きく3つの機能を備えています。
1つ目は、価値の保管です。ビットコインなど、分散台帳上の資産の「秘密鍵」を管理することで価値の保管ができます。
2つ目は、価値の移転です。ブロックチェーンに直接アクセスして、プログラムを送れば、ビットコインなどを誰かに送ることはできますが、多くのユーザーには難しい。ウォレットは価値移転のインターフェース(仕組みや接点)を提供します。
3つ目は、アクセスあるいは証明です。ブロックチェーン上のサービス、例えば、DeFi(分散型金融)※やブロックチェーンゲームなどに接続したときに「自分がどんなアセットを保有しているか」を証明できます。
つまり、価値の保管、移転、証明という3つの機能を備えたものがウォレットです。

経緯を振り返ると、2021年1月に東大発ブロックチェーンベンチャーのフレセッツを買収し、ウォレット事業を開始しました。2023年には大阪・関西万博の公式アプリ「EXPO2025デジタルウォレット」を手がけ、累計100万ダウンロードを記録。万博終了後の10月31日には、協会との取り決めに従い、ユーザーを引き継ぐ形でサービスを拡張して、「HashPort Wallet」に名称を変更しました。
また非常に幸運だったことに、国内初の日本円建てステーブルコイン「JPYC」の発行が2025年10月27日に始まりました。この2つのプロダクト、円ステーブルコインとウォレットは一緒に成長しています。2025年12月時点では、JPYCホルダーの80%以上がHashPort Walletを使っている状況です。
※DeFi(分散型金融):ブロックチェーン上で提供される金融サービスの総称。銀行や証券会社などを介さず、スマートコントラクトと呼ばれるプログラムによって自動で動くため、24時間365日利用でき、手数料の低減も期待されています。
金融産業化と社会実装

──この数年で、日本のWeb3/ブロックチェーン環境はどう変化したと感じていますか?
大きくは2つの変化が生まれたと思います。1つは、ブロックチェーンの金融産業化。もう1つは、社会への実装です。
金融産業化については、日本ではステーブルコインの発行、そして2026年には暗号資産の根拠法が現行の資金決済法から金融商品取引法(金商法)に移行され、暗号資産は金融商品として位置づけられることが見込まれています。
グローバルでも、2025年に米国でステーブルコインの規制を明確化したGENIUS(ジーニアス)法が成立し、2024年にビットコイン現物ETF(上場投資信託)が登場して以来、金融の世界との融合が進んでいます。ブロックチェーンの世界から、より大きな資本にアクセスできるようになり、これまで考えられなかったような規模の資金流入、産業への連携が期待できるようになりました。
社会への実装では、人気サービスであるメルカリが暗号資産取引サービス「メルコイン」を開始し、口座数はすでに300万以上になっています。メルカリユーザーなら誰でも、簡単にビットコインを購入できるというインフラが生まれてきました。
グローバルでは、決済大手のVisaがステーブルコイン決済を導入し、PayPalが独自ステーブルコインを発行、さらにPayPalのライバルであるStripeがステーブルコイン決済大手のBridgeを買収するなど、既存の金融インフラとブロックチェーンテクノロジーの距離が縮まっています。
コンシューマーへの普及の手応え
──Web3業界の関係者は、2026年は「ウォレットとDeFiに注目」と理解していますが、万博でデジタルウォレットを使った一般的なコンシューマーへの広がりはどのように感じていますか。
万博期間中、そして万博終了後も大きな手応えを感じています。万博では、わずか6カ月間ぐらいで100万以上のユーザーを獲得することができました。一般的にウォレット、あるいはブロックチェーンの不便な点と言われる「秘密鍵の管理」「ガス代(取引手数料)の管理」を十分にカバーできれば、そこまで大きなハードルにはならないことが実証されたと認識しています。
12月1日からはKDDIとの提携のもと、共通ポイントサービス「Ponta」、スマホ決済サービス「au PAY」との連携を開始しました。これはトラフィックベースでも非常に大きな反響をいただいています。多くの人はビットコイン、暗号資産を知らないわけではなく、知っているけれど、一歩が踏み出せない。そこに、身近なきっかけを作るとかなり使っていただけることを学びました。大きなビジネスチャンスがあると思っています。
また昨今はAIが関心を集めていますが、実はAIとブロックチェーンは非常に相性が良いのです。今後、AIの活用はさまざまな分野で進むと考えられていますが、例えば、今の金融サービスはAIを想定していません。そのため、AIが本人確認を行って、銀行口座を操作するようなことは実現が非常に難しい。そもそも各社で技術仕様も違います。
一方、ブロックチェーンやウォレットは細かい違いはあっても、すべて「ブロックチェーン」という技術基盤の上で動いています。つまり、ブロックチェーン上に存在する資産は、ビットコインやイーサリアムのような暗号資産でも、有価証券を裏付けとしたセキュリティ・トークンでも、あるいは法定通貨を裏付けとしたステーブルコインでも、すべては「トークン」になります。AIにとっては、すべて同じ規格に則ったものであり、非常に扱いやすいのです。ブロックチェーン上での本人確認の方法も整備されつつあります。
ウォレットは、今後、私たちがAIの活用する際に、私たちの代理、いわゆる「AIエ ージェント」が金融サービスと接続するための基盤としての役割を担うものとしても期待されています。そうした観点から、AI時代の金融インフラとしてのブロックチェーン、そして特にステーブルコインとウォレットは今、注目を集めています。
2026年への期待と見通し

──2026年、Web3/ブロックチェーンの進展をどのように予想されていますか。また御社はその中で、どのような展開を予定されていますか。
先ほど上げた2つのテーマ、すなわち「ブロックチェーンの金融産業化」と「ブロックチェーンの社会実装」の集大成の1年になるのではないかと考えています。
暗号資産規制の金商法移行が今年の国会で決議され、また税制改正も行われて、20%の分離課税が実現する見通しと聞いています。ブロックチェーンの金融産業化は間違いなく不可逆なトレンドになっています。ビットコインETFやさまざまな金融商品との融合はさらに具体的に議論が進む1年になるでしょう。
社会実装では、特にステーブルコインとウォレット、そしてDeFi(分散型金融)が密接につながっていく1年になるのではないかなと思っています。グローバルでは「DeFi Summer」と呼ばれた2020年夏〜2021年をきっかけに、取引数ベースでは全世界の暗号資産取引の約半数が、ウォレット経由になったと言われています。それまでは、取引所が大部分を占めていたトラフィックが、約3年で、50:50くらいになってきました。
2025年は国内に、米ドル建てステーブルコイン、日本円建てステーブルコイン、そして国産ウォレットの3つが揃いました。それが2026年以降、大きく、私たちの生活の中に浸透していくと思っています。そして、社会実装の新しい取り組みもドンドン生まれていくと期待しています。
Web3、ブロックチェーンを見極めるポイント

──最後に、あまりWeb3やブロックチェーンに詳しくないけれど、この領域への投資を検討している方に対して、チェックすべきポイントなどのアドバイスをお願いします。
冒頭の話に立ち返ると、世の中にある価値の総量は変わらないけれど、時代によってアロケーションが変わり、価値流通の形が変わる。例えば、株式市場の意味や役割は変わらないけれど、以前は「場立ち(ばたち)」という手のサインを使った取引が行われていました。それがコンピューターで取引されるようになり、今、アメリカでは株式をトークン化して流通させるところまで来ています。株式市場の価値自体は変わらないけれど、その価値を流通させる方法は変わっています。
ぜひ皆さんには、どれぐらいのマーケットサイズのものが、どれぐらいのスピードで、ブロックチェーン技術を活用したデジタル資産にアロケートされているのかを指標として見ていただきたいと思います。
例えば、現物型ビットコインETFは、以前から存在するETF(上場投資信託)がデジタル資産にアロケートされた商品と言えますし、世界中の投資や貿易の決済はステーブルコインにアロケートされるようになっています。株式のトークン化もそうです。
世の中のいろいろな商品が、どれぐらいのスピードでブロックチェーン技術を活用したデジタル資産に移っていくのかをぜひ、見ていただきたい。そして、そのスピードが維持されたときに、どれぐらいの年数で、どれぐらいの市場規模になっていくかは、より明確に見えてくるはずです。
数年前にドイツ銀行が出したレポートは、暗号資産保有者数の成長スピードと、かつてのインターネット利用者数の成長スピードが、同じような伸び方をしていると指摘していました。ですが、インターネットの歴史を振り返ると、決して平坦な成長ではなく、ドットコムバブルなど、いろいろな調整フェーズを経て、いまや社会に不可欠なインフラになっています。今のポジションを築くまでに、1990年代から考えると、30年以上かかっています。
ブロックチェーンもまだ道半ばです。逆に言うと、ブロックチェーンという技術がいつ、今のインターネットぐらいの巨大市場になっていくのかを楽しみながら想像し、投資を検討していただけると良いのではないでしょうか。ブロックチェーン、そしてウォレットを一人でも多くの人に使っていただけるよう、HashPortは当社のミッションである「まだ見ぬ価値を暮らしの中へ」の実現を全力で目指していきます。
■インベスコ 世界ブロックチェーン株式ファンド(愛称:世カエル)

こうしたブロックチェーンの社会実装を牽引する企業群に着目し、その成長の果実を「投資」というかたちで取り込もうとしているのが、インベスコ・アセット・マネジメントが日本で提供する投資信託「インベスコ 世界ブロックチェーン株式ファンド(愛称:世カエル)」だ。
世界中で新たなビジネスに挑戦するブロックチェーン関連企業の株式に幅広く投資し、ブロックチェーン技術やWeb3の中長期的な成長性を捉えることを目指して、2019年に運用を開始した。
暗号資産関連企業にとどまらず、インフラ、金融、アプリケーションなど分野横断で有望企業を厳選している点が特徴だ。
ファンドの詳細(リスク・手数料・運用実績、ご購入いただける金融機関など)は、以下より確認いただきたい。
インベスコ 世界ブロックチェーン株式ファンド 【愛称:世カエル】
インベスコ 世界ブロックチェーン株式ファンド(予想分配金提示型)【愛称:世カエル】
※上記は、ブロックチェーン市場の魅力をお伝えするためのインタビュー記事です。個別銘柄への投資を勧誘・推奨するものではなく、世カエルにおいて上記企業の組み入れまたは将来の組み入れを示唆・保証するものではありません。
提供:インベスコ・アセット・マネジメント株式会社
ファンドのご留意事項
【世カエルの投資リスク】
ファンドは預貯金とは異なり、投資元本は保証されているものではないため、基準価額の下落により、損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。ファンドの運用による損益はすべて受益者に帰属します。
ファンドは実質的に国内外の株式など値動きのある有価証券等に投資しますので、以下のような要因により基準価額が変動し、損失を被ることがあります。基準価額の主な変動要因については次のとおりです。※変動要因は下記に限定されるものではありません。●価格変動リスク、 ●信用リスク、 ●カントリー・リスク、 ●為替変動リスク、 ●流動性リスク
その他の留意点として、特定の業種・テーマへの集中投資に関する留意点やベンチマークに関する留意点があります。投資リスクの詳細およびその他の留意点等の詳細については、「投資信託説明書(交付目論見書)」に詳しく記載されています。お申し込みにあたっては、必ず内容をご確認いただき、ご自身でご判断ください。
【ファンドの費用】
購入時手数料 ⋯⋯⋯3.30%(税抜 3.00%)以内
運用管理費用 ⋯⋯⋯年率 1.573%(税抜 1.43%)
信託財産留保額 ⋯⋯ありません
その他の手数料等 ⋯⋯上記費用の他に、保有期間などに応じてご負担いただく費用があります。
投資信託説明書(交付目論見書)、契約締結前交付書面等でご確認ください。
お客さまにご負担いただく費用の合計額については、保有期間などに応じて異なりますので、表示することができません。
【収益分配金に関する留意事項】
■ 分配金は、預貯金の利息とは異なり、投資信託の純資産から支払われますので、分配金が支払われると、その金額相当分、基準価額は下がります。
■ 分配金は、計算期間中に発生した収益(経費控除後の配当等収益および評価益を含む売買益)を超えて支払われる場合があります。その場合、当期決算日の基準価額は前期決算日と比べて下落することになります。また、分配金の水準は、必ずしも計算期間におけるファンドの収益率を示すものではありません。
■ 受益者のファンドの購入価額によっては、分配金の一部ないし全部が、実質的には元本の一部払戻しに相当する場合があります。
商号等:インベスコ・アセット・マネジメント株式会社
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