暗号資産(仮想通貨)取引所bitbankを運営するビットバンクが公開した「LN Trends」最新号を転載してお届けします(LN:Lightning Network)。
LN市場の概況

参照:AMBOSS
概要:今月はノード数やチャネル数において、わずかな減少が見られるものの、全体としては依然として高水準を維持しています。
ライトニングネットワーク全体としては、引き続き一定の分散性を保ちながら運用されており、多くの参加者が比較的小規模なチャネル構成でネットワークに接続していると考えられます。
このような構造は、決済ルーティングを担う一部のノードやサービス事業者が中核的な役割を果たす一方で、その周辺には小規模な参加者が広く存在するという、現在のライトニングネットワーク特有の階層構造を反映したものです。
キャパシティの増加は、既存ノードによるチャネル当たりの投入資金の拡充や、より大きな金額を扱う決済需要の高まりを背景として、ネットワーク上にロックされるBTCの総量が増加していることを示しています。
| 日付 | ノード数 | キャパシティ数(BTC) | チャネル数 |
| 12/31 | 14,924(-1.19%) | 5,798(+6.82%) | 46,061(-1.53%) |
| 11/30 | 15,104 | 5,428 | 46,775 |
| 10/31 | 15,042 | 4,165 | 46,398 |
| 9/30 | 14,847 | 3,985 | 46,034 |
| 8/15 | 14,476 | 3,827 | 45,555 |
| 7/15 | 13,978 | 3,839 | 45,295 |
用語説明
ノードとは
・ネットワークに接続しているライトニングノードソフトウェアの数を指しています。
・決済の中継や決済チャネルの開設・維持を行う、ネットワークの基本単位です。
・ネットワークの広がりと分散度合いを示す指標です。
キャパシティとは
・ライトニングネットワーク全体で送金に利用できるビットコインの総量を指しています。
・資金の厚み・流動性・経済的規模を示す指標です。
チャンネルとは
・2つのノード間で開設される、オフチェーン上の決済通路の数を指しています。
・このチャネルを通じて、ビットコインを即時かつ低コストで送受信できます。
・接続性・経路の多様性・ネットワーク密度を示す指標です。
Blockstream App:Liquidスワップによるライトニング決済の実現

参照:Blockstream
概要:Blockstreamアプリのバージョン5.1.4にて、Liquidネットワークとライトニングネットワークを繋ぐ「スワップ機能」が新たに追加されました。
このアップデートにより、ユーザーはLiquid上のビットコインを保持したまま、ライトニングネットワークでの支払いや受け取りをシームレスに行えるようになります。高度なスワップ技術の導入により、自己管理の安全性を保ったまま、煩雑な管理を自動化しているのが大きな特徴です。
説明:今回の新機能によってもたらされる主なメリットについて、解説いたします。
1.運用の手間とコストを大幅に削減
・これまでのライトニングネットワークでは、チャネルの開設・管理や、支払いを受けるための「受け取り容量」の確保にコストや知識が必要でした。新しいスワップ機能ではこれらが自動化されるため、ユーザーは複雑な運用を意識することなく、即座に支払い機能を利用できます。
2.プライバシー性能の向上
・ビットコインのメインチェーンとは異なり、Liquidネットワークでは取引額や残高が外部から判別しにくい仕様になっています。この特性を活かすことで、資金の流れを第三者に追跡されるリスクを抑え、より高いプライバシーを保ちながら資産を管理することが可能です。
3.手数料を抑えた賢い資金管理
・取引所からの出金をライトニングネットワーク経由で行い、それをLiquid上のビットコインとして受け取れば、メインチェーンの混雑による高額な手数料を回避できます。手数料が安いタイミングを見計らってメインチェーンへ戻すなど、状況に応じた柔軟な資産運用が行えます。
4.トラストレスで安全な設計
・このスワップは、第三者を介在させずに「取引が完全に成功する」か「資金が手元に戻る」かのどちらかしか起こらない安全な仕組み(アトミックスワップ)で行われます。万が一、通信エラーなどで処理が中断された場合でも、資金が失われることなく元の持ち主に自動返却されるため、安心して利用できます。
Taproot Assets v0.7の発表:ライトニングネットワークのための“セットして放置”できるアセットレイヤー

概要:ライトニングラボは、ビットコインのメインネット上でステーブルコインなどの多様な資産を発行・送金できるプロトコル「Taproot Assets」の最新版(バージョン0.7)を公開しました。
今回のアップデートは、運用を「セットしたらあとは放置できる」状態に近づけることをテーマとしています。従来、実務上の負担となっていた手動の受取プロセスや監査作業を大幅に自動化・簡略化しており、企業や開発者がライトニングネットワーク上で資産をより安定して、かつ大規模に運用できる環境が整いました。
説明:今回のアップデートによる主なメリットについて、解説いたします。
1.繰り返し使える固定アドレス(AddressV2)の導入
・ゼロ金額受取:金額を指定せずに公開できるため、寄付の窓口や取引所の入金アドレスとして長期的に掲示することが可能です。
・ミスの防止:グループ化された資産であれば、発行タイミングが異なる資産でも同じアドレスで受け取れるようになり、運用の煩雑さが解消されました。
2.透明性の高い供給量管理と監査機能
・オンチェーン検証:発行や焼却の履歴をビットコインのブロックチェーン上で直接、またはRPC経由で簡単に確認できます。
・信頼の不要化:特定の運営者を信じる必要がなく、プログラム的に裏付け資産の整合性を監査できるため、透明性が飛躍的に向上しました。
3.送金成功率の向上
・大口送金への対応:単一の経路の資金量に左右されず、ネットワーク全体の流動性を集約して送金できるため、より大きな金額の決済も失敗しにくくなっています。
4.セキュリティとプライバシーの両立
・認証メールボックス:暗号化された通信により、アドレスを公開していても実際の取引内容は第三者から秘匿されます。
・個別取引の秘匿:同じアドレスを使い回しても、それぞれの支払いは独立した取引として処理されるため、資産の流れを追跡されにくい設計になっています。
コアライトニング 25.12:「Boltzのシームレスなアップグレード体験」

参照:Blockstream
概要:2025年12月4日、Blockstreamは「コアライトニング」の最新バージョン25.12を公開しました。
今回のアップデートでは、バックアップと復旧を容易にするBIP-39への対応、決済の成功率を高める支払い機能(xpay)の改善、そして大規模運用に耐えうるデータベース処理の劇的な高速化が図られています。ユーザーの利便性向上だけでなく、ノード運用の安定性とパフォーマンスを一段上へと引き上げる重要なリリースとなっています。
説明:本バージョンで導入された主なメリットについて、解説いたします。
1.運用・復旧の簡略化(BIP-39への対応)
・復旧が容易に:万が一ノードが故障しても、フレーズさえあればBIP39/BIP86に対応した他のウォレットで資金を復元できます。
・互換性の維持:既存のノードは従来通りの方式で動作し続けるため、設定変更の手間なく安全にアップデートが可能です。
2.決済成功率の向上
・Phoenix宛送金の安定化:接続が切れた際に支払いが「保留」のまま固まる不具合が修正され、特にPhoenixウォレットなどへの送金成功率が向上しています。
・負荷の抑制:一度に扱うHTLC(支払い伝送)の最大数を制限することで、ノードの過負荷を防いでいます。
3.パフォーマンスの劇的な改善
・高速化:Postgres利用時で最大30%の高速化を達成し、大量データ処理における待ち時間を約353秒から約57秒へと大幅に短縮しました。
・遅延の解消:Sqlite3利用時の最大レイテンシが、4.5秒から0.028秒へと劇的に改善され、スムーズな動作を実現しています。
4.監視機能と将来への対応(LSPS2サポート)
・詳細な監視:接続しているピアのPing時間や接続時間などを把握できるようになり、ノードの状態監視が容易になりました。
・新規格への対応:流動性提供に関する規格「LSPS2」をサポートし、将来的なサービス連携や機能拡張への準備が整えられています。
Voltage×BitGo:適格カストディ起点のライトニング決済を実現

参照:Voltage
概要:BitGoは、Voltageの自動化インフラを活用し、「適格カストディ」環境から直接ライトニングネットワークを利用できる新サービスを開始しました。
この提携により、金融機関や事業会社は、自社で複雑なライトニングノードを構築・運用することなく、高いセキュリティ水準を維持したまま、ビットコインの即時決済を導入できるようになります。高度な専門知識が必要だったインフラ管理をVoltageが自動化し、BitGoが資産の安全性を担保することで、企業によるビットコイン決済の実用化を強力に後押しする仕組みです。
説明:今回の連携が企業にもたらす主なメリットについて、解説いたします。
1.運用負担の完全な解消
・運用の自動化:経路選択や資金バランスの調整、キャパシティ予測などの複雑な処理は、すべてVoltage側のインフラで自動化されます。
・APIによる迅速な実装:利用企業は、シンプルなAPIを連携させるだけで、ウォレット作成から請求書発行、支払い通知の受け取りまでを短期間で実装可能です。
2.「即時・安価・大規模」な決済の実現
・コスト削減:手数料を大幅に抑えられるため、少額決済から大口送金まで幅広く対応します。
・既存インフラに近い操作感:従来の銀行振込や決済代行サービスに近い感覚で、ビットコインの持つスケーラビリティをビジネスに活用できます。
3.エンタープライズ水準のセキュリティと遵守
・適格カストディの統合:資産はBitGoの堅牢なカストディ環境で守られており、SOC 2準拠の運用や監査対応が可能です。
・ガバナンス管理:企業の内部ポリシーに基づいた承認フローや権限管理を設定できるため、組織としての安全な資金運用が担保されます。