BTC(ビットコイン)は米雇用統計をにらみ、規制動向と信用不安が重石か【マネックス証券】

● 今週のビットコインは、トランプ関税リスクの再燃とAIを巡る懸念を受けて一時大きく下落したが、その後は米国株の反発と現物ETFへの大幅資金流入を背景に急速に買い戻され、高値圏でもみあう展開となった。

● 来週のビットコインは、米雇用統計発表後の利下げ観測の揺れに左右されやすい一方、米規制動向や業界信用不安が上値の重石となり、一時的な反発はあっても方向感は出にくい展開が想定される。直近の価格レンジとして、上値はBTC=75,000ドル(約1,170万円)、下値はBTC=60,000ドル(約936万円)を意識する。

今週(2月20日~2月26日)の相場動向

相場回顧 BTC(ビットコイン):関税リスクとAI懸念で急落も、ETF資金流入を契機に反発

ビットコインは、トランプ関税リスクの再燃とAIを巡る懸念を受けて一時大きく下落したが、その後は米国株の反発と現物ETFへの大幅資金流入を背景に急速に買い戻され、高値圏でもみあう展開となった。

週前半はリスクオフが鮮明となった。米最高裁がトランプ米大統領による関税措置について違法(違憲趣旨)との判断を示した後、大統領が別の枠組みで追加関税方針を打ち出したことで、通商政策を巡る不透明感が増幅。米国株が軟調に推移する中、ビットコインもリスク資産として売りが先行した。また、AIを巡る経済見通しへの懸念が強まり、ハイテク株中心に下落圧力が強まったことも地合いを悪化させた。

加えて、マイニング企業ビットディア・テクノロジー・グループ[BTDR]が保有ビットコインを全売却したと報じられ、企業による売り圧力が意識されたことも投資家心理の重石となった。悪材料が重なる中で、BTCは一時63,000ドル(約982万円)付近まで下押しし、短期的な弱気ムードが強まった。

しかし、その後は流れが一変する。エヌビディア[NVDA]決算への期待を背景に米国株が反発し、リスク選好が回復。暗号資産関連ではステーブルコイン大手サークル・インターネット・グループ[CRCL]の好決算もセンチメント改善に寄与した。さらに25日には、米国のビットコイン現物ETFで5億ドル超の純流入が確認され、5週連続で続いていた資金流出基調に一服感が広がった。需給改善への安心感から買い戻しが加速し、BTC=69,000ドル(約1,076万円)付近まで急回復した。

週末にかけては、米国とイランの第3回協議を前に中東情勢への警戒感が意識され、様子見姿勢が広がった。

来週(2月27日~3月5日)の相場予想

BTC(ビットコイン)は米雇用統計をにらみ、規制動向と信用不安が重石か

来週のビットコインは、米雇用統計発表後の利下げ観測の揺れに左右されやすい一方、米規制動向や業界信用不安が上値の重石となり、一時的な反発はあっても方向感は出にくい展開が想定される。

まず、最大の焦点は2月の米雇用統計(3月6日発表)である。前回に続き市場予想を上回る強い内容となれば、FRB(米連邦準備制度理事会)が利下げを急がないとの見方が一段と強まり、金利上昇・株安を通じてビットコインにも換金売りが波及しやすい。反対に弱い結果となれば、引き締め長期化への警戒が和らぎ、相場の下支え要因となろう。

次に、米CLARITY法案の審議にも引き続き注目したい。3月に入っても具体的な進展が見られなければ、規制の不透明感が改めて意識され、失望売りが強まる恐れがある。一方、これまで停滞感が続いていた審議がホワイトハウスの後押しで前進すれば、現物ETFへの資金流入を背景に価格の持ち直しにつながる可能性もある。

もっとも足元では、企業主体のビットコイン売りや暗号資産関連企業の信用不安が続いている。これらの懸念が払拭されない限り、戻り局面では売りに押されやすく、上値の重い展開が続く公算が大きい。

最後に、地政学面では米国とイランの協議を巡るヘッドラインが引き続き波乱要因となり得る点にも警戒が必要だ。

直近の価格レンジとして、上値はBTC=75,000ドル(約1,170万円)、下値はBTC=60,000ドル(約936万円)を意識する。