2026年のビットコイン市場をどう見るか──年初シナリオの再検証と現在地【エックスウィンリサーチ】

● 年初想定どおり、相場はシナリオAとBの中間に位置する不安定局面。
● 経済は底堅い一方、暗号資産の需給は弱く50,000ドル台も視野。
● 転換の鍵は価格ではなく、Coinbase Premiumの持続的改善。

2026年1月1日、ビットコインは約95,000ドル前後で推移していた。エックスウィンは同日公開の記事「2026年のビットコイン市場をどう見るか──3つのシナリオと注視すべきオンチェーン指標」において、3つの価格シナリオを提示した。

シナリオA「ねじれ・レンジ」は80,000〜140,000ドルの広い往復。資金は断続的に入るが定着せず、高ボラティリティのレンジが続く展開。

シナリオB「マクロショック」は80,000ドル割れから50,000ドル台までの深押しも想定する下振れケース。

シナリオC「リスクオン優勢」は120,000〜170,000ドルを中心に、条件が揃えば200,000ドル近辺を試す上振れシナリオである。当時はAとBの可能性を中心に整理し、Cは限定的と位置づけた。

では現在はどうか。

足元の暗号資産市場の弱さは、概ね年初の想定範囲内である。一方で米国経済は崩れておらず、雇用や企業活動は底堅い。信用不安が全面化しているわけでもない。つまり、景気後退が主因で売られているのではなく、暗号資産市場固有の需給悪化が価格を押し下げている構図である。

現状は、シナリオAとBの両方の側面を持つ。価格は大枠レンジ内にとどまり、明確な上昇トレンドを形成できていない点ではAの構造だ。しかし、ETFフローの弱さや清算主導の急変動はB的な不安定さを内包している。実質的にはショック局面にあり、当初想定した50,000ドル台も視野に入る状況までリスクが拡大している。

今後の分岐は明確だ。経済が底堅い以上、理論上はリスク資産への資金回帰余地は残る。しかし問題は「資金が入るか」ではなく「資金が居つくか」である。短期的な反発は繰り返し起こり得るが、持続的な現物需要が確認できなければ構造転換とは言えない。

その変化を測るうえで、最も注視すべき指標がCoinbase Premiumである。これは米国ドル建て現物価格と海外価格の差を示し、米国機関投資家の実需を映す温度計だ。プレミアムがマイナス圏にとどまる限り、本格的な資金流入は確認できない。持続的なプラス定着こそが、需給改善の最初のサインとなる。

2026年の相場は、価格そのものよりもフローの質が支配している。その転換の兆候は、Coinbase Premiumに最初に現れる。

オンチェーン指標の見方

Coinbase Premium Index:米国市場における現物需要を測る代理指標であり、ETFフローの動きを間接的に反映する。レンジ相場では、Premiumはプラスとマイナスを頻繁に往復しやすく、明確なトレンドは形成されにくい。ただし、調整局面でもPremiumが極端にマイナス化しない場合、ETFを含む米国フローが完全には離脱していないと解釈できる。