ビットコイン価格は12%反発、強気派は5年ぶりのパニック指標にも動じず──トランプ大統領が1.2兆ドル規模の米歳出合意【価格分析】

● 米国の予算をめぐる不透明感が解消されたことで、清算主導の極端なパニックが緩和し、ビットコイン価格は12%反発した。
● ビットコインの投資家心理を示す「Fear & Greed Index(恐怖と欲望指数)」は5年ぶりの低水準まで低下し、極度のパニック水準を示した。
● 一方、BlackrockのビットコインETF「IBIT」に関連する異例の資金フローは、ビットコインが6万5000ドルを下回ったことの背景に、自然発生的な投げ売りではなく、大口機関投資家によるリスク取引があった可能性を示唆している。

ビットコイン価格は、FTX破綻以降で最も激しい売りのひとつとなった急落局面で一時6万ドル付近まで下落した後、12%超反発した。この回復は、トランプ大統領が1兆2000億ドル規模の予算に署名し、部分的な政府機関閉鎖が回避されたことを受けたものだ。これにより、連邦政府機関および暗号資産市場を含む金融市場全体における短期的な政治・運営面の不確実性が後退した。

反発に先立ち、ビットコインは1日あたりのドル建て下落額として過去最大を記録し、日中で1万ドル超下落した。6日金曜日には一時6万ドル近辺で取引され、24時間の清算総額は9億6469万ドルに達した。

極度のパニック下でも強気派は保有継続──IBIT関連取引に見られた異例のレバレッジ動向

投資家心理を、ボラティリティ、出来高、モメンタム、デリバティブのポジションなどを用いて測定する「Bitcoin Fear & Greed Index」は5まで低下し、5年ぶりの低水準を記録した。これは、世界的な新型コロナウイルス感染拡大の最中に見られた水準と並ぶ、極度のパニック局面に相当する。

〈Bitcoin Fear & Greed Index|CoinMarketCap〉

予測市場Kalshiでは、トレーダーが「年末までにビットコインが6万ドルまで下落する確率」を82%と織り込んでおり、恐怖と欲望指数が示す極端なパニック水準を裏付ける形となっている。

〈ビットコインが6万ドルを下回る確率は82%|Kalshi〉

今週のビットコインの記録的な下落幅を踏まえ、DeFi Development(DFDV)のCOO(最高執行責任者)兼CIO(最高投資責任者)であるパーカー・ホワイト氏は、ブラックロックのビットコインETF「IBIT」における異常な取引と資金フローに言及した。

ホワイト氏はXへの投稿で、IBITが1日あたり107億ドルと、これまでの記録をほぼ倍増させる過去最高の出来高を記録したこと、さらにオプション取引のプレミアム総額も約9億ドルに達し、こちらも過去最高となったことを指摘した。

「契約上限は1月21日に撤廃された。BTCは1月29日に崖から落ちるように急落した。……昨日破綻したのと同じファンドだったのか、それとも全く無関係なのか?」

ホワイト氏はまた、通常は異なる値動きを見せるビットコインとソラナが、今回はほぼ同じペースで下落した点や、価格下落の規模に比して中央集権型暗号資産取引所での清算が相対的に抑制されていた点を指摘した。これらの動きは、5日木曜日のビットコイン急落の引き金が、暗号資産ネイティブなレバレッジではなく、IBIT関連のオプション取引にあった可能性を示していると、ホワイト氏は主張している。

CoinSharesの調査責任者であるジェームズ・バターフィル氏も、機関投資家の関与の大きさを裏付けるデータとして、世界の暗号資産ETPの1日あたり取引高が185億ドルと過去最高を記録し、2025年10月に記録した153億ドルを大きく上回ったと述べた。

米国の著名メディアパーソナリティであるブラディスラフ・リュボフニー氏(DJ Vlad)も、個人投資家としての立場から、今回の市場混乱の中でもビットコインを保有し続ける姿勢を示した。52歳の同氏は5日木曜日、IBITを通じて初めてビットコインに投資したことを公表し、今回の売りは行き過ぎだと主張した。

「もし本当にビットコインを信じているなら、今こそ着実に買い増すべきだ。いま売っているなら、最初から買うべきではなかった。こういう局面で、本物の投資家は富を築き、見せかけの投資家は市場から去っていく」

同氏はさらに、パニック売りではなくドルコスト平均法を重視すべきだと強調し、極度の恐怖局面こそが、長期投資家が参入し、投機的参加者が退出する局面であると位置付けた。

ビットコイン価格の見通し:Strategyの取得価格が焦点に

執筆時点でビットコインは7万ドルを上回って反発しており、強気派は、過度なレバレッジをかけて構築されたショートポジションの買い戻しが進む局面を狙っている。投資家心理が依然として高揚ではなく恐怖に傾いていることから、今回の反発は楽観によるものではなく、戦術的なポジション調整によるものとみられる。

ホワイト氏の「ブラックロック関連のレバレッジ取引が下落を招いた」との見方が正しければ、ビットコインは7万5000ドル〜7万8000ドルのゾーンに向けて、もう一段の上昇を試す可能性がある。この水準を明確に上抜けて終値を維持できれば、ビットコイン価格は最大の企業保有者であるStrategyの平均取得価格(現在7万6052ドル)を回復することになり、様子見していた資金の再参入を促し、極端な恐怖心理の沈静化につながる可能性がある。

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