ビットコイン、下降ウェッジ下放れのリスク──トランプ大統領の対イラン最後通告でETFから1億6500万ドル流出【価格分析】

● 地政学リスクが急激に高まるなか、ビットコイン(BTC)は6%下落した。トランプ大統領によるイランへの最後通告と、FRB(米連邦準備制度理事会)への新たな攻撃が背景にある。
● 米国上場のビットコイン現物ETFは再び資金流出に転じ、2日間で1億6500万ドルが引き揚げられた。
● テクニカル指標は売られ過ぎの状態を示しているものの、8万9000ドルを回復できなければ、下値リスクは依然として残る。

トランプ大統領の対イラン最後通告とFRB批判で、ビットコイン下落

ビットコイン(BTC)価格は1月29日に6%下落し、イーサリアム(ETH)、ソラナ(SOL)、XRPも最大で7%下落した。地政学リスクの高まりを受け、暗号資産市場全体が下押しされた。トランプ大統領がイランに対して新たな最後通告を発したことで、市場は動揺。ベネズエラやグリーンランドに関連する最近の軍事的発言による不透明感も重なった。

トランプ大統領は28日、SNS「Truth Social」への投稿で、イランは米軍による攻撃の対象となる可能性があるとして、以下のように警告した。

「巨大艦隊がイランに向かっている……必要なら、迅速かつ暴力的に任務を遂行する準備ができている」と述べ、イランに対して「交渉のテーブルにつき、公正で公平な合意を結ぶ必要がある──核兵器は認めない。時間は残されていない」

さらに29日、トランプ大統領はFRBのジェローム・パウエル議長への批判を再燃させ、「『遅すぎる』パウエルは再び利下げを拒否した……彼は米国と国家安全保障を損なっている」と発言した。

トランプ大統領はまた、パウエル議長の対応によって、米国は年間数千億ドル規模の利払い負担を被っていると続けた。

ビットコインはしばしばマクロの不安定性に対するヘッジと位置付けられるが、短期的には、米国の機関投資家の不透明感が価格動向を強く圧迫しているようだ。

■ビットコインETF、今週は1億6500万ドル超が流出|FarsideInvestors

ビットコインETFは週初めに680万ドルの流入が確認され、過熱感のある金や銀市場からの資金シフトへの期待が高まったが、その後、センチメントは急速に反転した。

FarsideInvestorsのデータによると、直近2セッションでビットコインETFは1億4700万ドル、1400万ドルの資金流出を記録し、週次の純流出額は約1億6000万ドルに達している。

ビットコイン価格見通し:下降ウェッジの下放れで8万5000ドル割れのリスク

12時間足チャートのテクニカル指標は、ビットコインが明確なフォーリング(下降)ウェッジ・パターンを下抜けたことを示している。このパターンは、下値支持線が崩れた場合、下落が継続するシグナルとされる。

BTCは8万8500ドル付近のウェッジ下限を明確に割り込み、下値リスクが一段と高まった。現在、8万5700ドル付近に位置するボリンジャーバンド下限を割り込めば、さらなる下落につながる可能性がある。

BTCは9万1500ドル近辺のボリンジャーバンド中央線を大きく下回って推移しており、強気筋が早期にこの水準を回復しない限り、短期的なモメンタムは弱気のままだ。

■ビットコイン価格分析|TradingView

モメンタム指標も下落バイアスを裏付けている。RSI(14)は29まで低下し、売られ過ぎの領域に入った。売り圧力の消耗を示唆しているものの、反転を確定するシグナルには至っていない。

ブレイクアウト確率指標では、下方向の確率が56.2%と、強気反転の30.5%を大きく上回っている。この不均衡は、短期的な自律反発の可能性はあるものの、継続的な買いが弱いことを示している。

ビットコインが終値ベースで8万8500ドルを回復できなければ、次の下値目標は8万3000〜8万5000ドルとなり、過去の需要帯およびボリンジャーバンド下限と重なる。一方、日足で9万1500ドルを明確に上回る終値を付ければ、短期的な弱気見通しは否定される。