渡辺創太氏が率いるStartale Groupは、Sony Innovation Fund(SIF)から総額約20億円の追加出資を受けたと1月29日に発表した。今回の出資はシリーズAの1stクローズにあたり、エンターテインメント、IP(知的財産)、AIが交差する次世代オンチェーン・インフラの構築に向けたパートナーシップを一段と強化する。
Startaleとソニーの関係はリリースによると、2023年9月のシードラウンドにおける約5億円の出資に始まった。その後、Ethereumレイヤー2ブロックチェーン「Soneium(ソニューム)」を共同開発する合弁会社Sony Block Solutions Labs(SBSL)を設立するなど、パートナーシップを拡大してきた。
オンチェーン・インフラへの「垂直統合型アプローチ」
ソニーによる継続的な投資は、これまでのパートナーシップの成果に加え、Startaleが掲げるオンチェーン・インフラへの「垂直統合型アプローチ」への評価を示すものと同社はリリースに記している。
また、Soneiumは、エンターテインメント領域に適したブロックチェーンプラットフォームとして進化を続けているという。2025年1月のメインネットローンチ以降、5億件以上のトランザクションを処理し、アクティブウォレット数は540万、dApps(分散型アプリケーション)は250以上に達したとしている。
さらにStartaleはリリースによると、Soneium向けに、ウォレット機能、資産管理、アプリケーションへのアクセスを統合した「Startale App」やステーブルコイン「Startale USD(USDSC)」を提供している。
IP・エンターテインメントとAIの融合
Startale Groupの渡辺創太CEOは、「StartaleはSoneium初期からのソニーの重要なパートナーだ。私たちのビジョンは『世界をオンチェーン化する(Bring the world onchain)』ことであり、ソニーの継続的な支援は、その実現に向けたグローバル規模のインフラを構築するうえで大きな後押しとなる」と述べている。
Startaleは、ブロックチェーンインフラに関する知見と、ソニーが持つエンターテインメントおよびテクノロジー分野の強みを組み合わせることで、クリエイター・IP主導のプラットフォーム構築、収益分配モデルの高度化、参加型のファン体験の創出を目指すという。
一方、ソニーベンチャーズの代表取締役社長、波多野和人氏は、「Startaleは、インフラからアプリケーションまでを垂直統合し、ブロックチェーン領域で事業を展開する企業だ。グローバルな視座を持ち、オンチェーン技術を基盤とした新しい価値の流れをチーム一丸で創出している。Soneiumを軸とした連携を通じて、今後もStartaleの挑戦を支援していきたい」とリリースに記している。
Startale Groupは、Soneiumでの取り組みのほかにも、SBIとともにトークン化資産の取引基盤の構築や円建てステーブルコインにも取り組んでいる。SBIグループを率いる北尾吉孝氏は、NADA NEWSの創刊特集インタビューで、渡辺氏について「彼のような世界で戦い、鍛えられている人は優れた能力を持っている」と述べた。
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同じく創刊特集インタビューで、片山さつき財務大臣も「若く、才能ある人たちが日本を出て、シンガポールに行く事例があったが、ぜひ日本に軸足を置きながら、グローバルに活躍してほしい。デジタルアセットは、そのための有力な手段になり得る」と、前デジタル大臣の平将明氏が「渡辺創太問題」と呼んだ事象に触れている。
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|文:増田隆幸
|写真:小此木愛里