ビットコイン市場は「価格」より「動く時間」を読む段階へ──曜日別プライスアクションとオンチェーンが示す現在の力関係【エックスウィンリサーチ】

● 現在の相場は、価格水準より曜日・時間帯の流動性差が値動きを左右するレンジ局面。
● 曜日別プライスアクションでは、火〜水に動きが集中し、土曜日は方向性が出にくい。
● オンチェーンとデリバは需給中立を示し、急なトレンド発生の兆候は限定的。

現在のビットコイン市場は、強気相場の初動とも弱気相場の進行局面とも断定しにくい、レンジを基調とした調整フェーズに位置づけられる。現時点での方向性は条件付きで中立からやや強気が優勢と整理できるが、価格水準そのもの以上に重要なのは「どの曜日・時間帯に動きが集中しているか」という市場構造の違いである。

Price Action on Each Day of the Week を確認すると、火曜から水曜にかけて相対的にボラティリティが高まり、短期的なトレンドが形成されやすいことが分かる。一方で土曜日は値幅が明確に縮小し、方向性のないレンジ推移が中心となる。この傾向は一時的な現象ではなく、複数期間を通じて一貫して観測されている。

この曜日構造は、分足レベルの値動きとも整合的だ。土曜日の価格推移では、細かな上下動は発生するものの、一定方向への連続的な値動きは限定的であり、短い反発と押し戻しが繰り返される傾向が強い。これはテクニカル要因というより、市場参加者構成の違いを反映したプライスアクションと解釈できる。

土曜日に価格が動きにくくなる主な理由は、需給バランスそのものではなく「参加者の質」と「流動性の性格」にある。週末には、機関投資家、裁定取引主体、マクロ要因に反応する短期資金の多くが市場から離脱する。その結果、出来高は低下し板は薄くなるが、新規の大口フローも同時に減少する。流動性は存在するものの、価格を一方向に押し出す主体が不在となり、結果として値幅は抑制されやすくなる。

オンチェーンデータからも、この構造は裏付けられる。取引所残高に急激な増加は見られず、投げ売りや分配を示唆する動きは限定的だ。先物市場においてもレバレッジは中立的な水準にあり、清算を伴う急変動が発生しにくい状態が続いている。流動性が低下しているにもかかわらず価格が崩れない点は、「動かない市場」であることを示している。

一方で、動きが出やすいのは平日中盤、特に火曜から水曜にかけての時間帯である。この局面では、週明けに形成されたポジション調整が進み、機関投資家や裁定取引が市場に戻りやすい。オンチェーンフローや先物の建玉変化が同時に動くことで、価格がレンジを離れるきっかけが生まれやすい。方向性が出る場合も、この時間帯に集中する傾向がある。

反対シナリオとしては、週末であっても取引所への大規模な資金流入や、先物市場でのレバレッジ急拡大が同時に確認される場合だ。その場合、曜日構造に基づく前提は崩れ、価格が例外的に動く可能性がある。

現時点では、曜日別プライスアクションとオンチェーン需給が示すレンジ基調がベースシナリオである。ただし、平日中盤においてフローやレバレッジの質的変化が確認される場合、この見方は見直す必要がある。

オンチェーン指標の見方

Price Action on Each Day of the Week:市場参加者の入れ替わりによる「流動性の質」を確認する補助指標として有効である。平日中盤に値動きが集中する場合、オンチェーンフローやレバレッジ調整が同時に進みやすく、構造変化が価格に反映されやすい。一方、週末に値幅が縮小する局面では、オンチェーン指標に大きな変化がなければ、需給は維持されレンジ継続と解釈しやすい。