【ビットコイン価格分析】ビットコイン、トランプ関税発言で24時間に7億4500万ドルの清算──投資家はDeFiに70億ドルを預け入れ

●トランプ大統領の関税をめぐる発言がリスク資産を直撃し、ビットコインは19日、9万3000ドルまで下落、24時間で約7億4500万ドルの清算が発生した。
●ビットコイン現物ETFから3億4000万ドルの資金流出があり、現物需要は弱含みとなった。ストラテジーは12月1日以来初めて、購入ゼロの週となった。
●ビットコインDeFiのTVL(預かり資産総額)は約72億ドルを維持しており、大口保有者が急いで撤退するのではなく、利回りを得ながらボラティリティを受け入れていることを示唆している。

ビットコイン価格は19日、9万3000ドルまで下落し、約3%値を下げた。市場は、欧州およびグリーンランドをめぐる緊張と結びついたトランプ大統領の関税に関する発言に反応した。世界的な資産市場ではリスクセンチメントが急速に反転し、米国および欧州の主要株価指数は、地政学的な不確実性の高まりを織り込む形で下落していた。

〈TradingEconomics〉

TradingEconomicsのデータによると、米国株式も下落し、S&P500は0.82%安となった。フランスとイタリアの主要株価指数はいずれも約1.5%下落し、オーストラリアのASXは約1%下落した。一方、中国株式市場は逆張り的な買いを背景に0.8%上昇した。安全資産への逃避が進むなか、金は取引時点で約2%上昇して4675ドルとなり、銀も4%上昇して95ドルとなった。

ビットコインの3%下落は、暗号資産が米国のリスク市場との相関を強めていることを改めて示した。この傾向は、トランプ政権の暗号資産に友好的な姿勢や、WLFIなどを通じた大統領自身の暗号資産分野への積極的な関与が続くなかで持続している。

7億4500万ドルの清算が発生するなかでも、ビットコインDeFiのTVLは72億ドルを維持

ビットコインの1日での3%下落は、トランプ大統領の関税発言が市場の不意を突いたことによる清算の連鎖が主因だった。機関投資家も慎重姿勢を示し、積極的に押し目を拾うよりも、リスクの再評価を選んだように見える。

特に、マイケル・セイラー氏率いるストラテジーは19日にビットコインを購入せず、2025年12月1日以来の購入ゼロ週となった。16日には、ビットコイン現物ETFから3億4000万ドルの資金流出が発生し、長期投資家からの通常の強気シグナルが弱まっていた。

〈DeFiLlama〉

機関投資家からの買いが見られないなか、レバレッジをかけた強気勢は投げ売りに追い込まれた。Coinglassのデータによると、ロングポジションの清算額は7億8655万ドルに達し、当日の清算総額の約90%を占めた。

それでも、オンチェーンデータは大口保有者が動じていないことを示している。19日のDeFiLlamaのデータによると、DeFiコントラクトにロックされたビットコインは過去48時間にわたり約72億ドルで安定しており、大半のアクティブな保有者が、トランプ大統領の関税発言を受けてBTCのステーキング解除を行っていないことを示唆している。

11月22日以降の過去60日間で、BTCのTVLは約10億ドル増加しており、保有者は現物売却ではなく、利回り戦略によって価格変動を相殺し続けている。

〈Coinglass〉

今後については、Coinglassの清算マップが9万1500ドルを次の主要なサポートゾーンとして示している。弱気ポジションは約25億ドルまで増加し、直近の急落を受けて、強気ポジションは約9億4300万ドルまで減少した。それでも、9万1500ドル水準には約2億8000万ドルの強気クラスターが集中しており、BTCがこの水準を上回って推移する限り、今月中に9万5000ドルへの反発が視野に入る。

ビットコイン価格予想:関税ショック後、BTCは9万1500ドルのサポートを守り、9万5000ドルを回復できるか

日足チャートでは、ビットコインは1月中旬の高値圏から下落しており、月曜日の売りを経て、BTCは9万3008ドル前後で取引されている。

BTCUSDの日足チャートでは、スーパートレンド(10, hl2, 3)のサポートが8万8500ドル付近で維持されており、売り手がより深い下落を引き起こさない限り、全体的な構造は依然として保たれていることを示している。

〈TradingView〉

一方、パラボリックSARは9万7939ドル付近で上方に転じており、短期的には弱気優勢であることを示し、9万7950〜9万8000ドルが、強気派が主導権を取り戻すための次の大きな壁となっている。

また、RSI(14)は53前後に位置しており、24時間で7億4500万ドルの清算が発生したにもかかわらず、市場が極端な悲観状態には陥っていないことを示している。BTCが9万3000ドルおよび9万1500ドルの水準を維持できれば、9万5000ドルへの反発は引き続き現実的だ。一方で、9万1500ドルを割り込めば、ビットコイン価格は8万8500ドル付近までのさらなる下落にさらされる可能性がある。