● DeFiは中央集権を介さない金融として再び注目が加速
● 自己管理(セルフカストディ)が金融の主導権を個人へ移行
● ステーブルコインと日本の制度整備が普及を後押し
DeFillamaによると、現在のDeFi市場におけるTotal Value Locked(TVL)は約950億ドル規模に達しており、2021年のピークから調整を経た後も、再び資金が戻りつつある構造が確認されている。これは単なる価格主導の回復ではなく、DeFiプロトコルへの資金流入が継続していることを示しており、オンチェーン金融が再び実需ベースで評価され始めていることを意味する。
分散型金融(DeFi)は、2020年のブーム以降、一度は過熱と調整を経験したが、現在再び注目を集めている。特に直近では、マクロ環境の不確実性や金融システムへの不信感を背景に、「中央に依存しない金融」という本質的価値が再評価されている。DeFiは単なる投機対象ではなく、金融インフラそのものとしての進化段階に入りつつある。
なぜ今、DeFiなのか。その理由の一つは、従来の金融が抱える構造的課題にある。銀行や証券会社を介した資産管理は、利便性の一方でカウンターパーティリスクや資産凍結リスクを内包している。これに対し、DeFiはブロックチェーン上でスマートコントラクトにより運用され、ユーザーは自らのウォレットを通じて直接資産を管理する。この構造は「信頼を第三者に預ける」から「コードと自分自身に委ねる」への転換を意味する。
この変化の中心にあるのが、セルフカストディという概念である。セルフカストディとは、秘密鍵を自ら管理し、資産の完全な所有権を保持する仕組みであり、従来の金融では実現できなかった「真の所有」を可能にする。特に近年はユーザビリティの向上により、専門知識がなくても扱えるウォレットが普及し始めている。日本においては、HashPort Walletのようなプロダクトがその代表例であり、一般ユーザーでも安全に自己管理を行える環境が整いつつある。
さらに、DeFiの成長を支えているのがステーブルコインの存在である。価格変動の大きい暗号資産とは異なり、法定通貨に連動するステーブルコインは、決済・送金・運用の基盤として機能する。現在、グローバルでのステーブルコイン時価総額は拡大を続けており、特に新興国ではドル代替手段としての需要が顕著である。これにより、DeFiは単なる投資市場ではなく、実需ベースの金融ネットワークへと進化している。
添付のCryptoQuantチャートが示しているように、足元ではオンチェーン上の資金フローと市場価格の動きに明確な変化が見られる。特に、緑のバーで示される供給数は直近で急増しており、利用の拡大が顕著になっていることを示唆する。すなわち、DeFiやオンチェーン経済そのものの利用が増え、その結果として価値が裏付けられている構造が形成されつつあるといえる。
日本においても、この流れは徐々に顕在化している。特にJPYCを中心とした円建てステーブルコインの取り組みは、国内におけるDeFi普及の重要な起点となる可能性がある。従来、日本円はブロックチェーン上で直接扱うことが難しかったが、ステーブルコインの登場により、円ベースでのDeFi活用が現実味を帯びてきた。これは、個人だけでなく企業や金融機関にとっても新たな選択肢を提供する。
DeFiの本質は「アクセスの民主化」にある。誰もがインターネット接続とウォレットさえあれば、金融サービスにアクセスできる。この構造は、銀行口座を持てない層や金融インフラが未整備な地域にとって特に大きな意味を持つ。一方で、自己責任という側面も強く、リスク管理やリテラシーの重要性はこれまで以上に高まる。
今後のDeFiの成長は、技術革新だけでなく制度整備とユーザー体験の向上に依存する。日本では金融商品取引法の改正やステーブルコイン規制の明確化が進みつつあり、これらが市場の信頼性向上に寄与する可能性が高い。加えて、ウォレットやUIの改善が進めば、より広範なユーザー層の参入が期待される。
結論として、DeFiは単なるトレンドではなく、金融の在り方そのものを再定義する動きである。JPYCとHashPortが象徴する日本型の取り組みは、その最前線に位置しており、自己管理とステーブルコインの融合によって、日本独自の金融構造が形成されつつある。現在はその過渡期にあり、今後の進展は市場構造を大きく変える可能性を秘めている。
◆ショート動画
https://youtube.com/shorts/4UixqIaRy6g
オンチェーン指標の見方
このチャートは、オンチェーンにおけるステーブルコインの供給量の拡大を示しており、ネットワーク利用の実態を把握する重要な指標である。緑のバーの増加はERCのステーブルコインの供給数の拡大を意味し、DeFiやステーブルコインなど実需の活発化を示唆する。

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