StarkWare(スタークウェア)の最高製品責任者であるAvihu Levy(アヴィフ・レヴィ)氏は、ビットコイン(Bitcoin)のプロトコル変更(ソフトフォーク)を伴わずに、量子コンピューターによる攻撃に耐性を持つ取引を実現する「Quantum Safe Bitcoin(QSB)」スキームを提案した。
QSBの核心は、楕円曲線暗号(ECDSA)に依存した署名の仕組みを「Hash-to-Sign」パズルに置き換える点にある。量子コンピューターが解読できないブルートフォース計算を要求することで、ショアのアルゴリズムを用いた大規模量子コンピューターの攻撃にも耐えうるという。既存のコンセンサスルール内で完結するため、ネットワーク全体の合意形成を待たずに、個別のユーザーが即座に導入できる利点がある。
ただし、実用面でのハードルは高い。署名の代わりにオフチェーンで大規模なGPU計算を行い、その結果を取引に含める必要があるため、1件あたりのコストは現時点で75ドル〜200ドルと試算されている。日常的な決済や、ライトニングネットワークには適さない。
レヴィ氏はこれを「プロトコルが更新されるまでの緊急避難的な解決策」と位置づけており、恒久的な対策としては、量子耐性署名を追加するBIP-360などのソフトフォークが引き続き本命視されている。Google(グーグル)が3月に発表した「量子計算リソースの効率化」に関する論文を受け、ビットコインの「Q-Day」への対策は、もはや遠い未来の話ではなくなっている。
|文・編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
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