ビットコインは「買い場」か?2つの指標が否定する理由【エックスウィンリサーチ】

● 短期保有者はSOPR<1の損切り領域に入り、恐怖主導の投げ売りが進行している
● 一方でCoinbase Premiumはマイナス圏に留まり、米国機関を中心とした現物需要は依然弱い
● 売り圧は出ているが吸収する主体が不在で、現状は底打ちではなく調整継続の構造

ビットコイン市場は現在、「底打ちか、それとも調整継続か」という重要な分岐点にある。この判断において有効なのが、短期保有者の損益状況を示すSTH-SOPRと、米国主導の現物需要を測るCoinbase Premium Gapの組み合わせである。

まずSTH-SOPR(Short Term Holder SOPR)は、短期保有者がコインを売却した際に「利益で売っているのか、損失で売っているのか」を示す指標である。基準となる1.0を上回れば利益確定、下回れば損切りを意味する。この指標は市場心理を非常に明確に反映しており、特に1.0を下回る局面では、恐怖による投げ売りが発生していると解釈される。

CryptoMe 作成のチャートによると、現在のSTH-SOPRは1.0付近から下回る水準で推移しており、短期保有者が損失を抱えたまま売却している状態にある。これは市場における「弱い手の退場」を示しており、過去のサイクルでは底形成の初期段階でよく見られる動きである。

一方、Coinbase Premium Gapは、米国の代表的取引所であるCoinbaseと他取引所(主にBinance)との価格差を示す指標であり、米国投資家の現物需要を測る重要なシグナルとなる。プレミアムがプラスであれば米国側で買いが強く、マイナスであれば売り圧力または需要不足を意味する。

現在のチャートを見ると、このCoinbase Premium Gapは明確にマイナス圏で推移しており、米国投資家の積極的な買いが入っていないことが分かる。過去の上昇局面では、このプレミアムがプラスに転じ、継続的に維持されることで価格上昇が支えられてきたが、現状はその条件が満たされていない。

この2つの指標を組み合わせると、現在の市場構造はより明確になる。すなわち、「短期保有者は損切りしている(SOPR<1)が、その売りを強い現物需要が吸収していない(Premiumマイナス)」という状態である。これは典型的な底打ち局面とは異なり、まだ需給の最終的な均衡が形成されていないことを示唆している。

本来の底では、投げ売りと同時に長期資金や機関投資家の買いが確認される必要がある。つまり、SOPRが1を下回る状況に加え、Coinbase Premiumがプラスに転じることで、「売りが吸収されている」構造が明確になる。しかし現状では、その重要なシグナルが欠けている。

結論として、現在のビットコイン市場は「売り圧の消化が進む初期段階」ではあるが、「明確な底打ち」には至っていない。今後の焦点は、米国主導の現物需要の回復、すなわちCoinbase Premiumのプラス転換にある。この変化が確認されて初めて、市場は調整フェーズから反転フェーズへと移行すると考えられる。

◆ショート動画
https://youtube.com/shorts/O40gblQte7M

オンチェーン指標の見方

①STH-SOPR
短期保有者が売却時に利益か損失かを示す指標で、1.0が分岐点となる。1を下回ると損切りが増え、弱い手の投げ売り=底形成初期の可能性を示唆する。ただし単独では不十分で、「誰がその売りを拾っているか」との組み合わせが重要。

②Coinbase Premium Gap
Coinbaseと他取引所の価格差から、米国投資家の現物需要を測る指標。プラスは米国主導の買い、マイナスは需要不足または売り優勢を意味する。持続的な上昇には、このプレミアムのプラス転換と継続が重要な条件となる。

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